* .。+*＊。.**+夜空の手紙* .。+*＊。.**..+ (ページ29)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:27,868 hit

忘れてページ29

A：「………。」

和也：「………。」

オデコ、赤くなってる。

頭突いた側だって痛いんだぞ、ふん。

すると今度は和也がオデコを突きつけてきたから、頭突かれる！って

思わずギュッと眼を閉じて身体を硬くした。

するとそれは私ほどの威力はなくて。軽く、コン、って。

眼を恐る恐る開けると…、目の前に和也の瞳があった。

A：「………。」

和也：「………。」

.

.

大好きな、和也の瞳。

.

.

和也：「…それでいーよ。」

A：「………え？」

和也の色素の薄い瞳がユラユラ揺れる。

和也：「…早く、俺のことなんか、忘れて。」

そう言って私からは身体を離すと、缶ビール片手に二階へ上がって行った。

リビングで私は1人立ち尽くす。

なんなの？

なんなんだよ、バカヤロウ。

忘れるわよ、忘れてやるわよ。あんたのことなんか。

言葉とは裏腹に、眼から涙が溢れ出す。

A：「…うっ、」

バカヤロウ。あほ、死ね。

A：「ううっ…、」

でも1番バカなのは、素直になれない自分だ。