子供21人 ページ22
貴方side
「さぁ、日頃の恨みと一緒に殺しちゃえ」
ホントなら両手を広げ、五条の攻撃を受け止めたいけど。
腕はガッチリ固定されているから。
「……日頃の恨みとは別にするよ」
「ありゃ、意外」
……五条なら私が怖がらない前に勢いで殺してくれると思ってたんだけどなぁ。
「五条って夏休みの宿題溜めて、最終日に終わらせる派でしょ? しかも完璧に」
「いや? 僕は出される前に全部完璧に終わらせる派だよ」
沈黙が下りる。
もう、言い残す事は無い気もする。
「……言い遺したい事、ある?」
「うーん……あ」
1つ、1つだけあった。
「私はね、後悔してないの」
『絶対後悔しない?』
「そういう
だから……と言葉がつかえる。
「だから……五条も後悔する必要無いから。あの時止めれば良かったとか、あの時殺さなければ良かったとか」
それだけ。
「……全く、お前らいつも下らない所で似るよな」
「?」
「いや、何でも無い。……じゃあね、常」
視界が白く光る。
痛みは熱いから、死ぬ時は熱いと思ってた。
でも、現実はそうじゃなくて酷く冷たい。
五条の術式だからかな?
痛くないんだ。
走馬灯が走り出した。
走馬灯って生き残る為の方法探す為らしいよね。
馬鹿だね。
私は救われようがない存在で、救われるべき存在でもなく、もう死んじゃっている様な物なのに。
『___』
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽毬 | 作成日時:2021年4月1日 16時