おじーちゃん不孝 ページ26
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コツコツと、上層部内の廊下を歩く。
足折れてんのにヒールにしなきゃよかった、と今更後悔。
『こだわってねえし…』
最後に言われた言葉が変に心に引っかかる。
別にこだわってない。
ただ単にあれは忠告をしただけだと、自分に言い聞かせるがなんだか納得しない気分になって気持ちが悪い。
さっさと寮に戻って寝ようかな、とかなんとか考えてると。
「A」
『おじーちゃん』
突然、名前を呼ばれて振り返ると、お祖父ちゃんが立っていた。
歩いていた方向を変え、近づく。
『久しぶり?かな?
1年ぐらい?』
「あぁ、それぐらいだ」
素っ気ない返事を聞いて、
変わってないなぁと思う。
「先日、宿儺と対戦して怪我をしたと聞いたが」
『あー、別に何ともないから平気』
「また、呪考を使ったのか」
『…まぁ』
言いにくかった。
お祖父ちゃんが私の術式に対して、反対なのは知ってるから。
昔から私の術式は危険極まりなかった。
考えたことが簡単にできてしまうから。
呪言師も結構自分へのダメージが多いみたいだけど、私のは比じゃなかった。
一回でも使ったら、それが限界になる。
今は練習して使いこなせるようになったから、マシになったけど。
「呪具へ転向は『しないよ。それにこれからもその考えは変わらない』…そうか」
そう伝えると、表情は変わらないものの残念そうな雰囲気に変わった。
ほんとかよ?って思われるかもだけど、
私何年おじーちゃんといるんだって話。
『おじーちゃんはさ、悠仁の事まだ嫌い?』
「あれは呪いだ」
『人間性の話』
「喋ったことがないからわからんの」
『私は上層部から変なイメージ植え付けられてたけど、実際あったらめっちゃいい子でさ、案外あの子好きよ』
「A、呪いなんぞに情をかけるな」
情…ね。
かけてるつもりはなかったけど、おじーちゃんに言われて気づいた。
多分私は悠仁を殺すことはできないって。
「五条の様子はどうだ」
『相変わらず馬鹿だよ』
「ちゃんと監視しておくように」
『はいはい』
五条の監視は言われなくてもやってるわ。
『…じゃあ、そろそろ行くわ。
交流戦でまた。
あと、おじーちゃん不孝な孫でごめんね』
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なち(プロフ) - 楽しい作品読ませていただいてます!ありがとうございます。本当ならここで作品の感想とか書くのでしょうが、頭痛の表現がめちゃくちゃ共感してしまい衝動的にコメントしてます。。除夜の鐘を鳴らされてる気分本当に共感しかないです!これからも読ませていただきます! (12月3日 0時) (レス) @page29 id: 95ed38705c (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - リサっペさん» 返信遅くなり、大変申し訳ありません。続編はこちらの都合上削除させていただきました。更新がうまくできておらず、URLが貼られている状態になっていました。申し訳ありませんでした。 (2021年6月26日 19時) (レス) id: 467d149bfa (このIDを非表示/違反報告)
リサっペ(プロフ) - 続編のUR Lとべません!! (2021年6月6日 21時) (レス) id: 8897e851e9 (このIDを非表示/違反報告)
しずく(プロフ) - 黒蝶 かぐやさん» 返信遅くなり申し訳ありません…!!なるほど!めちゃくちゃ良い案ありがとうございます…!!!使う機会がありましたら使わせていただきます(_ _)ありがとうございました〜! (2021年4月17日 15時) (レス) id: 467d149bfa (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶 かぐや - すいません。色々と考えてみたんですが、火を使っているとのことなので...こんな感じです。 (2021年4月2日 10時) (レス) id: 57d0ae7b34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しずく | 作成日時:2021年2月15日 19時