【文スト】弐・友人が話していた人間失格の息子になった件について【男主】

四十四話＿捨てないで ページ12

男達の話し声で徐々にAの意識が浮上してきた。




「う……」


男1「あの餓鬼、よく見たら可愛い顔してやがったぜ」


男2「そりゃいい。売り飛ばせば金になる」


男1「はっ、汚ぇオッサンの相手させられるかもな」




静かに起き上がるとAは狭い牢の中に居た。




ベ「クゥン」


「ベイリー！よかった…！」




すぐ傍にはAに寄り添うように座っているベイリーが居た。
ベイリーを抱きしめて、体に傷が無いか確認するが幸い何も無かった。




男2「あの餓鬼の親って太宰治なんだろ？助けに来ないんじゃねぇか？」


男1「さあな。抑、ポートマフィアに愛なんてものがあるのかも判らん」




愛か。
そう云う感情を持っている人は比較的少ない。




「パパ…」




助けに来てくれるだろうか。
良い子にすると約束する。
独りで何でも出来るようになる。




「すてないでほしいな」


男2「見捨てられるんじゃね？」


男1「可哀想にな。あはは！！」




男達の醜い笑い声を聞きながらベイリーを抱きしめてうずくまった。




「しんじゃうのかな」


べ「クゥン」


「ベイリー、しぬときはいっしょだよ」


べ「ワン」


「ひとりじゃないから、さみしくないよ」




自分を落ち着かせる為に言い聞かせた。

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