【文スト】肆・友人が話していた人間失格の息子になった件について【男主】

百五十八話＿犯人は誰？ ページ44

乱歩の異能力は実際に見てみないと判らない物だ。
乱歩の異能は瞬時に犯人が判る事以外にも犯人がどう推せば自白するかも神の啓示の如く、頭に浮かぶ。




乱「何せ、僕は異能力者だからね」


箕「職業柄、異能力者については俺も知ってる。だが、そんな便利な異能力が有るなら俺達刑事は要らねぇだろうが」


乱「正にその通り！漸く理解が追いついたじゃないか」


箕「くｯｯ……貴様ぁ！！」




箕浦は乱歩の態度に苛立ち怒りに任せ拳を握り、今にも乱歩に殴り掛かろうとするが、その間に太宰が入り込んだ。




太「まぁまぁ刑事さん。乱歩さんは終始こんな感じですから」


「うんうん。気にしない気にしない」




太宰親子に庇われている乱歩は何故自分が箕浦に怒られているのかまだ判って居ない様子。




乱「何しろ僕の座右の銘は『僕が良ければ全て良し』だからね」


敦「こんなに納得したの初めて…」
座右の銘『生きているなら良いじゃない』


太「やれやれ」
座右の銘『清く明るく元気な自 殺』


「ベイリーいま何してるかなぁ」
座右の銘『いつか慣れるもの』




Aの座右の銘はその言葉の通りだ。
別の世界に転生してきたが、何事も慣れるもの。




箕「そこまで云うなら見せてもらおうか。その異能力とやらを」


乱「おや、其れは依頼かな？最初から素直に頼めばいいのに」


箕「ハッ何の手掛かりも無い難事件を相手に大した自信じゃないか。60秒測ってやろうか？」


乱「そんなに要らない」


太「見ていたまえ敦君。之が探偵社を支える能力だ。あの眼鏡を掛けると乱歩さんは『超推理』のスイッチが入る」




＿＿＿＿＿＿異能力『超推理』




乱歩は懐から眼鏡を取り出し、装着すると何処からともなく風が吹きマントを揺らす。
こう云う世界は名場面になると風が吹くとは本当の事だった様だ。




乱「成程」


箕「何が成程だ。犯人が判ったとでも云うのか？」


乱「勿論。犯人は＿＿＿＿＿＿＿＿君だ」




乱歩が指指したのは、殺された山際女史の後輩で警察官である杉本だった。
杉本は自分が犯人だと云われ、必死に弁解している。箕浦も部下である杉本が殺る筈が無いと。




乱「杉本巡査が彼女を殺した」




之は紛れもない事実だ。
乱歩がそう云うなら杉本が彼女を殺したと云うのは当たっている。

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