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「さて、料理長、彼の存在を君は知らなかったんだな？」
「知ってたらもっとまともな反応できましたよ……」
作戦会議だと呼ばれて連れてこられた幹部会議用テントにて、グルッペン氏から投げかけられたそんな問いに、俺は仏頂面でそう返した。
少なくとも、あれだけ混乱していなければ、ゾムに声が届かなかった程度でショックで固まることはなかったと思う。ゾムという存在が俺の中でそこそこの重みを持っているというのは確かに事実ではあるものの、俺は自分がそこまで繊細だった覚えはない。
「ご、ごめんなあ、A……」
「いや謝られる覚えないけど」
「ごめんなあ！？」
「いや、謝られる覚えないけど……？」
「すれ違い、若干面白いけどゾムがかわいそうだからツッコミ入れとくわ。ゾム、Aくんマジでお前に対して怒っとらんよ」
「嘘やぁ」
「えっ？」
あまりにも悄然とした声が聞こえて、きょとんと俺がゾムを見やれば、ゾムは珍しく――本当に珍しく落ち込んだような顔をしていた。どうしたんだこいつ。
「なに落ち込んでんだよきもちわる」
「……それはさすがにひどない？」
「こいつ相手に今更取り繕っても……なんかまずいことしたと思ってんなら勝手に挽回しやがれよ。できんだろ。わかったらさっさと立ち直れ」
「……お前、ほんま、相変わらずやなあ」
呟いた声は相変わらずしゅんとしていたが、まあいくぶんか顔つきが晴れたのでよしとする。落ち込まれても調子が狂う。
鬱氏は俺とゾムを見比べて、なんやよくわからん二人やなあ、と小首を傾げた。わからない、と言うその理由こそ俺としてはいまいちわからないけれど。
まあいい。
「話を戻そうか」
俺の心を代弁するようにグルッペン氏がそう言った。途端に引き締まる空気。
「ゾム、お前は謂わば、クローン、と呼べるような存在なんだな？」
「……まあ、な」
「お前と同じような存在はどれくらいいるんだ？」
「さあ……生産されてんのは少なくとも俺で三〇七体目ではあるけど、そのほとんどが売り飛ばされた先の戦争とかに使われてるってのは聞いとったぐらい。俺がいなくなったあとでどれくらい生産されたかもわからんし。……知らんわ」
「なるほど」
グルッペン氏はゾムの淡々とした、あるいは投げやりにすらも聞こえる答えに対してそう相槌を打つ。彼は自分の顎を少し触れて、そして低い声音でもう一度呟いた。
「……なるほど」
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青空 - 久々に見たら再公開していて発狂しました。おかえりなさい！！！！！何度か捜索を試みたのですが、難しいですね！！全然分からない！！！！ (2020年4月24日 16時) (
レス) id: 2914a8cacc (このIDを非表示/違反報告)
るのは - やっぱり続編も最高…（ほくほく）更新もしていただけるとかもう…貴方が神か…？そして殺意高いっすねどうしたんですか？？？楽しみにしています！ (2020年4月11日 10時) (レス) id: 0aebb521ec (このIDを非表示/違反報告)
泥の花(プロフ) - 殺意高い系作者さんですね！(白目)引っ越し先で何があったんや、、、。更新お待ちしております！ (2020年4月11日 1時) (レス) id: f396f2a042 (このIDを非表示/違反報告)
青空 - またどこかで素敵なお話を作りあげていらっしゃることを期待して。お会いできたら嬉しいです！ (2019年10月18日 0時) (レス) id: ec3f127efc (このIDを非表示/違反報告)
青空 - 楽しみにしていた作品が読めなくなってしまい、とても残念に思っていましたが、「引っ越したということは、また見つけることができれば読めるんじゃないか.......？」と希望を持ちました。 (2019年10月18日 0時) (レス) id: ec3f127efc (このIDを非表示/違反報告)
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