S i g n (ページ15)

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自分で言っておきながら思わず無意識に

口走ってしまったことに賢志郎は1人驚きと焦りを

隠せないでいた。本心であることを示すかのように

次第に顔が赤くなっていくのがわかった。

川西「俺……2日前に会ったばっかりの子に何言っとんねん……」

川西は呆れたように笑ってすっかり寝てしまった

みさきを眺めた。何も気にすることなく寝ている

みさきにはどこか幼さが残っていて懐かしく

感じられ胸の奥がキュッと痛くなる感覚を覚えた。

川西は気づかれないようにそっとみさきを抱えると

壊れ物を扱うかのようにベッドに寝かせた。

＿＿＿＿＿＿朝。

いい匂いがして目が覚めた。

何かと思って部屋を出てリビングに入るとそこには

キッチンで味噌汁であろうものを作っている

川西さんの姿があった。

『おはようございます！昨日は迷惑かけちゃってほんとにごめんなさい。』

川西「迷惑なんて全然思ってへんよ。みさきちゃんの気持ちが少しでも落ち着いたなら俺は満足やからそんな気使わんといてや笑」

そう言うと川西さんはフフっと笑った。

その笑顔にみさきはどこか心がキュッとなった。

しかし少し抜けているみさきには

それが何を意味する感情なのか気づくのには

まだしばらくの時間がかかるのだった。