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プレッシャー〜3〜 ページ14

ボイストレーニングの部屋へ行くと
もう講師がすでにいた。
「す、すみません。遅くなりました!」
小走りで講師の元へ行く。

「いや、遅刻じゃないから大丈夫だよ。
今日はデビュー曲持ってきたからとりあえず聴いて。」

BLOOD on FIREと言う曲を初めて聞いた。

ものすごくカッコいい曲だ。
この曲でデビューするのかと思うとワクワクすると同時に出来るだろうか。と、また不安な気持ちが押し寄せてきた。

一曲、聴き終わると講師が
「とりあえず今日はいつもの発声とか通常レッスンね。次のレッスンが〜…」
スケジュール帳をパラパラと開きながら確認している。
「2日後か。それまでに覚えてきてね。デモテープ渡しとくから。じゃ、レッスン始めまーす。」



ーーー。

一時間半程経ちレッスンが終わった。


「ありがとうございました。」
講師に挨拶をし見送った。

荷物をパパッとまとめると、ダンスの練習の為にまたあのスタジオに戻った。
真っ暗なスタジオの電気を付けた。
鏡に光が当たり普通の部屋より明るい。
逆にそれが虚しく感じた。

しかしそんな感傷的な気持ちに浸っている暇はない。
気持ちを切り替える為に曲をかけ、踊ってみた。

「うーん。決めるとこ決めるってどういう事なんだろう…。」

自分ではビシッっと決めているはずなのだが、
何故だろう。格好がつかない。

何度も何度も練習する。

が、鏡に映る自分の姿に納得いかない。

先の見えないゴールに心が折れそうになり
「はぁ〜…」と、大きなため息をつくと、顔にタオルを乗せその場に大の字に寝っ転がった。


目を閉じ、ピクリとも動かない。


しかし、目からは涙が出てくる。


出来ない自分が悔しかった。

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作者名:憂〜Ui〜 | 作成日時:2017年9月19日 0時

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