第14話 ページ14
・
・
例えるなら、気兼ねなく話せる男友達。
お互い深く干渉しない、好き勝手話して好き勝手リアクションするだけ。
一方的なコミュニケーションのぶつけ合い。
そんな関係なのに、それが妙に心地よかっただけ。
『碓氷君、今日もカッコイイ…!』
『クールで一匹狼とか素敵だよね』
『間違いなく学年1のイケメン』
『恋愛とかしない系なんだろうな…素っ気ないツンデレ系?』
『わかる!……私絶対尽くしちゃうなぁ…』
俺をよく知りもしない女達の勝手な妄想が煩わしくて逃げ込んだ屋上。
……よく万里が行ってるから。鍵の開け方教えて貰った。
しかも万里が怖くてあんまり人は来ない。
そこに、ひとり。
――――『1人?ちょっと聞いてくんね??』
馴れ馴れしいやつだった。
名前くらいは知ってるけど、まさか本当にいるとは思わなかった。
隣のクラスの、芸能人。
勝手に俺の隣で、知らない事をペラペラ話してるだけ。
それ、俺聞いていいの?なんて思う事もお構いなしに。
煩くて面倒くさい。
でも――嫌じゃない。
女っぽくないせいなのか、ただ波長が合うのか。
『……あれ、そう言えば君誰?』
『……碓氷真澄』
『あ、君が碓氷君ね。そんな気はした』
『あんたは、』
『え、知らない?私を知らない?マジで?!』
『……うざい』
言えることは、Aは俺を特別扱いしない。
俺が言ってないことは信じないし、俺が言ったことは全部覚えてる。
憶測や噂で俺を判断しない。
俺の気持ちも、性格も、等身大の俺のままで理解してくれる。
それに、ちょっと救われたんだ。
「真澄、なんでお前Aと」
「知らない。連れてきたのは万里」
「俺のせいかよ!そもそも先に話してたのはお前だろ」
「そ、そうだよ!私のAちゃんとどういう関係なの真澄君!」
「…いつ監督のものになったんだよ…」
煩くて、騒がしくて、めんどくさくて。
だけど真っ直ぐで一生懸命な強いやつ。
「別に何も無い――――ただの友達」
「「友達!?」」
いつも話聞いてあげてるし、聞いてくれてるんだから
そう思ってもいいんでしょ。
544人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春野さん(プロフ) - 完結おめでとうございます!タイトルからこんな風に繋がるとは思ってなくて、思わず涙が出ました。本当に素敵な作品だと思います。この作品に惹かれたのがきっかけで天馬最推しになった位(笑)次回作やアナザーストーリー、あれば期待しています、頑張ってください! (2018年8月31日 10時) (レス) id: 43b6e8fc40 (このIDを非表示/違反報告)
ゴム手袋(プロフ) - いいところで更新停止ー!!!めちゃくちゃいいとこでー!!!待ってますー!!!!! (2018年8月7日 10時) (レス) id: 2405ca442d (このIDを非表示/違反報告)
一華 顕音(プロフ) - 狂さん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!頑張ります!! (2017年12月30日 16時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
一華 顕音(プロフ) - Mareさん» コメントありがとうございます!更新できるように頑張りますね! (2017年12月30日 16時) (レス) id: f13dd29270 (このIDを非表示/違反報告)
狂(プロフ) - とても引き込まれました!頑張ってください! (2017年12月29日 11時) (レス) id: 4e15e8f7b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:一華 顕音 | 作成日時:2017年12月7日 17時