検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,547 hit

*** ページ4

『皇天馬は果たしてどちらを選ぶのか…?!』
『Aです』



「うぉあああああやりやがったああああ」
「あ、もしもし?ねーちゃん?俺しばらくねーちゃんの手料理が食べたいなって…」
「兄ちゃん1週間くらいそっちいるからいっぱい遊べるからな、楽しみにしとけよ」
「実家に電話するのは無しじゃないかい!?」
「くっそ監督……スパイス隠してやがる…!」



阿鼻叫喚の居間。
逃亡を図るもの数名。
根源を断とうとするもの数名。
成す術なく放心するもの数名。

現在まで無敗の面々(タクト様除く)が全員選んだのはB。
名だたる大物芸能人が確信を持って選択しているだけに一人勝ちは望み薄。
――――つまりやらかしている。




『どうです?相方、ひとりですけど』
『…ちょっとびっくりしてます』
『これは早々に普通芸能人行きですかね』
『あ、それは無いと思います』




――――え?



まさかの発言に凍りついた一同。
画面の向こうの芸能人達もザワつく。
その中で、まったく不安な顔をしないA。

しかし皆さん忘れないで欲しい。
アイツは音痴だ(失礼)。
そして生粋の天馬ファンでもある。

そんな彼女が天馬の事を疑ってかかることはないだろう。
しかし、ここまで自信ありげな顔なのは何故か。





『皇様が正解だと?』
『音楽は私てんで駄目なんで、確信持てないですけど……

――――天馬くんなんで、外さないかなって』
『BUDDYへの信頼度MAXですね!』

「実家に帰らせてもらいます」
「見捨てないで臣君!!」
「なんで誰もポンコツ天馬を教えてあげなかったの!!」




きっと大多数が「コイツ何言ってんだ」って思ってるだろう。
しかし、実はAにはもう一つ根拠があった。





『正解は――――Aです!』

「『ぇぇえええっ!?』」




テレビ画面とハモった人間は日本中に何万人いるだろうか。
皇天馬、一人勝ちである。




『皇天馬さん、Aを選んだ根拠は?』
『松岡Aさん、皇さんを疑わなかった理由は?』





松岡Aは知っていたのである。





『俺が聞いた中で一番有名な音楽に似ていたからです』

『天馬くん、一度聞いたものは結構細部まで覚えてるんです』




皇天馬がかつて演じた音楽家の息子役として、Aの父親に頼んで聞かせに連れていってもらった数々のオーケストラの演奏の違いを。





「天馬君……やっぱり一流だね」
「二世タレントも伊達じゃないな」
「てんま、すごーい!」
「見直した……」

*終*→←***



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:A3! , 短編集 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:一華 顕音 | 作成日時:2017年11月3日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。