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「あー小笠原ですか。あいつ時々変な行動しますよね」
少しでも知ろうと、Aと同輩の金田一に訊いてみると、苦笑いでそう返される。
「それな。この前だって俺のクラス入ってきて、なにもせずに帰って行ってたよ」
どういうことだ。
そう及川は突っ込みたくなったが、国見に訊いたところでどうせ答えは出ないのは分かっている。だから言葉を飲み込んだ。
「あ、早いですね」
「噂をすればなんとやらってか」
適当に駄弁っていたら、話のネタとなっていたAが部室に現れた。
「噂? あっオレが変な行動ばかりするってことですか?」
「自覚はあるんだな」
「まあ計算済みなんで」
「は?」
及川のこの反応は普通の反応だろう。普通の反応ではなかった場合、どのように返すのが正解なのだろうか。
「えーなんか不思議ちゃんっていうんすかね。そういうのってモテるって言いません?」
なるほど、そういうことか。
「それって女の子だけじゃないかな」
「そうなんですか。まあいっか」
こういう適当なところも気に入らない。
国見とは少し違う、気だるげさがある。本当に「無気力」という言葉が似合いそうなタイプの人だ。
「ていうかお前着替えるのはえーな」
「そうですかね? 腹減ってたからですかね」
岩泉とAが仲良さげにそんな会話をしているのを横目に、及川は部室をでて、誰よりも先に体育館へと向かうのだった。
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抹衣(プロフ) - はましおんさん» コメントありがとうございます!スペースはスマホでは出来なくて……わざわざpcでやっております(笑)小説風になるべくしたくて……。応援ありがとうございます!更新ペースが凄く遅いですが、気長に待ってくれると幸いです(笑) (2019年7月14日 10時) (レス) id: 4a9e0cfb60 (このIDを非表示/違反報告)
はましおん(プロフ) - すごく面白くて読みやすいです。改行の後の全角スペースもちゃんとやっていてすごいなと思いました。応援してます! (2019年7月14日 7時) (レス) id: 02bd72d94d (このIDを非表示/違反報告)
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