パラレル 14 ページ15
「……あ?」
神童が、泣いている。
俺を見つめて、泣きじゃくっている。
欲しいおもちゃを買ってもらえなかった、子どものように。
それは久しぶりの光景で、
神童を泣かせるのが目的だった筈なのに、俺は動揺してしまった。
「しんど……」
「ひっく、ぅぅっあぁー……
そんな筈っ、ない……、俺は……」
何時の間にかブリュンヒルデは消えて、
俺はジャンヌの姿になるだけだった。
「俺は、嬉しかった……
お金持ちだからって、泣き虫だからって、いじめられてきたのに
霧野だけは違った……っ」
「……」
「霧野だけは……っ、俺の親友だった！」
「……」
ああ俺、
「霧野にサッカーを教えてもらってっ、
上手な霧野がつまらないように必死に頑張って、すぐにお父様からボールを買ってもらって
うっ、1人で練習した……っ」
俺は
「そしたら霧野が上手だなって言ってくれて……っ
嬉しくて、ピアノの練習もサボって、ずっとサッカーの練習をしていた……！」
どうやら本当に間違っていたようだ。
「本気になって、サッカーを好きになって、
俺、ずっと霧野とサッカーが出来るように練習して……っ」
神童は、
「大好きなたった1人の親友の霧野がっ
俺のサッカーの女神だった……っ」
俺を、
「だから、お前の言うことは違う！」
ちゃんと親友だと思っていてくれたんだな。
あれ、変だ。
眼鏡がくもって、神童の顔が見えない。
目頭が熱くなったと思えば、頬になにかが伝って落ちてきた。
「霧野、ありがとう」
膝から落ちていく俺を、
神童が強く抱きしめた。
ああ俺、
「……うっ、くっ」
やっと泣けた。
神童は転がったボールを持って、ゴールへと向かっていった。
俺の涙が、地面に滲んで消えていく。
「ハンターズ……」
「プレスト……ターン!!」
あの、技は……
「霧野、見てくれ！
必殺技が出来たんだ！」
「俺も出来たんだ！ 霧がどばーってな……っ」
俺たちがやっと完成させた技。
「フォルテシモ！」
あの技も。
知ってる。
「……神童」
俺はずっと、神童を見てきたのだから。
『ゴール!!
アースイレブン、二点目！
残り時間もわずか、追いついていけるか！』
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佐倉 照(プロフ) - 一菜さん» ありがとう＾＾嬉しいです！ (2014年5月11日 10時) (
レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
一菜(プロフ) - とっても感動しました！！！これまで、お疲れ様でした♪ (2014年5月11日 10時) (レス) id: 244f31b192 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照(プロフ) - 霧宮フェイさん» ショートです（笑）だから神童さんが驚いて(( コメントありがとう＾＾ (2014年4月27日 18時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
霧宮フェイ - ツインテがないってショートカット?ほどいてるだけ? (2014年4月27日 10時) (レス) id: 7529d7020a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照(プロフ) - 緋菜さん» ううん、ないないwただツインテールがなくなっただけだよ( ´ ▽ ` ) ありがとう＾＾ (2014年4月7日 11時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
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