【13】空腹 ページ15
うー…
眠れなすぎる。そして体調がすっごい悪い。
さっき晩御飯食べるべきだったな〜
悩んでてもお腹空くもんだな。
眠りにつこうとして何時間目を瞑ったかな。
むくりと起き上がるとみんな熟睡してる様子。
たまに昔のことを思い出すと眠れなくなる時と同じ感覚がする。
そういう時は……
______
きました。
ハグリッドの家…！
と、思ったんだけど、なんと寝てます。
窓から覗いたら椅子に座って寝落ちしてるハグリッドがいた。
流石に起こす訳にはいけなくて、ハグリッドの家の前の段差に座る。
「もう、なんなの…」
なんもうまくいかない。
悩みばっか増えて、楽しくない。
「A、？」
声は聞こえたのに姿が見えない。
「……だれ」
布？みたいなものを外したらハリーの姿がいきなり現れた。
びっっっっっくりした……
「どうしたの、こんな夜遅くに…」
「ハリーこそどうしたの？」
お腹がすいてここに来たけど寝てた、なんて素直になんか言えなかった。
「…僕は、魔法動物の勉強しにきた。」
「…………なんで」
「Aが魔法動物すきっていってて、気になったし…」
そう言いながらわたしの隣に座った。
どうしよう。
嬉しい。
会いたくなかったのに、
会ったら、凄く嬉しい。
あなたのことで悩んでるのに、悩みもなくなってしまいそうになる。
て、思って気が緩んだらお腹がすっごい音で鳴った。
「もしかして、お腹すいてる？」
ふふ、と笑って私に聞いた。
「…ちょっと」
「ごめん、こういうのしかないけど…」
ゴソゴソとマントの中を探ってだしたのは、
「チョコレート？」
「うん、前ルーピン先生にもらったやつ」
「ありがとう…」
「それ食べると、元気が出るんだ。…なんかA、元気ない気がして。」
なんでそんなに優しいの？
前、嫌な態度とったのに。
顔をみると、真っ直ぐな目で私を見る。
目が合うと、ふにゃって笑って。
ハリーはそうやってみんなにその顔をする？
私だけ？
そういう黒いモヤモヤがまとわりついて離れない。
そういう、はじめての気持ちが邪魔で、
消したくなったんだと思う。
聞きたくなかったのに、聞いちゃったんだもん。
「…………ハリーは、みんなに優しくする？」
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作者名：和田 | 作成日時：2023年8月19日 0時
