その実の罰は。 (ページ2)

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私はしがないイラストレーターだ。

いやほんとに。しがなすぎて飯も食って行けねえよぉ。

本当にイラストレーターになりたかった訳じゃない。
本当は漫画家になりたかったのだ。

私は幼少期から男に囲まれて過ごして来た。

あっ、モテるって言いたい訳じゃなくて。

少年雑誌もよく読んだ、その中でもONE PIECEが好きだった。
憧れた、人を魅了するストーリーを描いてみたかった。

妄想は膨らみ中学校を中退後、何本もの漫画を描き会社に投稿、ことごとく全て落とされた。

私にはイマジネーションが足りないらしい。

絵は上手いと褒められた。

だからこれが天職なんだって。

そんなことを今日も思っていた。感傷に浸っていた。

するといきなり地面が揺れ始める。
手がすべった、絵が...

バキバキ

『...？』

メキッ

『...は？』

亀裂？そんなもんじゃない。地面が割れた。

心なしか空気まで割れているような...

『えっ、ヤダヤダヤダヤダ！！！』

奈落へ落ちそうになり、必死に切り立っている所を掴む。

『誰か..！』

周囲を見渡す、誰もいない。

なぜだ？？？？？？

ここは腐っても職場、会社であり人がいないなんてことはあり得ないのに。

ああ、これは、夢か。

きっと業務中に寝てしまったんだ。
私ったら、もう。

落ちたら、きっと戻れない

この世界に戻れない。

なぜかそう思った。

でもこのまま生き続けるより良いと思った。

何か私の想像力を高めてくれることがあるかもしれない。

ワクワクして来た。

そう、

この女も狂っていた。

漫画家の必須条件だ。

ゆっくり手を離す。この世界との繋がりが薄れていく。

そして、暗闇の中に落ちていく。

なーんだ、地中深くだけど案外あったかいじゃんなんて思いながら意識を手放した。