【WT】なんかトリップしたんだけど勘違いが激しい【トリップ】 (ページ16)

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お二人さんページ16

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奈良坂くんと古寺くんと話していると、突然扉が開いて、お目当ての人がやって来た

「チーッス……お？」

「……誰だ？」

二人の目線は私に注がれてる。
当たり前と言えば当たり前なんだけど。

それにしても…│生よねやん先輩と、三輪くんだ。いいなぁ、二人ともイケメンだなぁ。口には出さないよ

「陽介。心当たりがあるはずだ」

「こんな可愛い子に？俺なんかしたっけ？」

「…辞典、汚しただろ」

奈良坂くんが呆れたように言えば、「え、この子の！？まじかよ！！」と米屋くんはオーバーに驚いて、もう一度私を見る。さっきの可愛い子発言は聞かなかったことにしておいた。

「あーまじか…」と言いながら鞄をあさり、某大型書店の紙袋をこちらに差し出す米屋くん。

「俺犯人の米屋陽介！汚してスンマセン！」

『…持ち主の忍田Aです。わざわざありがとうございます』

と、いっそ潔い米屋くんから新品の辞典を受け取ったとき、三輪くんが「…忍田？」と首を傾げながら私を見てきた。

やっぱりボーダー隊員が引っ掛かるのは、その名字なんだね

『忍田本部長の娘です。といっても、養子ですが』

一応二人に向けてお辞儀をひとつ。

すると米屋くんは近くの椅子に腰をおろして「……そんな子の辞典汚したとか、俺罪深すぎじゃね？」と、苦笑いを浮かべた。

奈良坂くんは「いっそ死刑だな」なんてキツい言葉を返し、「奈良坂先輩、それは重すぎですよ…」と冷や汗をかいた古寺くんがフォローに回る

そんな様子を黙ってみていた三輪くんだが、やがてため息をつくと私に軽く頭を下げる。

「うちの陽介がすまない。俺はここの隊長の三輪秀次だ」

『よ、よろしく……』

差し出された手をきごちなく握り返せば、三輪くんは小さく笑った

…成り行きとは言え三輪くんと握手しちまったよ(震声)

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