検索窓
今日:53 hit、昨日:54 hit、合計:305,127 hit

チャンス ページ13






「忍田、ちょっといいか」


翌日の学校の昼休み、控えめに声をかけてきたのは同級生の奈良坂くんだった。
一緒にいた辻くんに目配せをすれば「俺は先に食べてるから」と行ってくるように笑いかけ、購買のパンを食べ始める

奈良坂くんはそんな辻くんに「悪いな」と一言言って、教室の外へ歩く。そして廊下に出ると、申し訳なさそうな表情をした



「前に借りていた辞典の事なんだが…」

『辞典……あ、古語辞典の事かな?』



そう言うと奈良坂くんは頷く。
…確かにちょっと前に貸した覚えがあるなぁ。今は授業で使ってないから、返すのはいつでもいいよと言った覚えがある。



「……実は同じ隊の奴が、その、飲み物を溢して」

『……お、おお』



なかなか素晴らしい事をする人が居るんだね…大体予想つくけどさ。



『まぁ起こっちゃった事は仕方ないから、別にいいよ。大丈夫』

「本当にすまない。責任を持って同じ物を買わせておいた」

『わざわざ辞典を買い直してくれたの?』

「責任は俺と溢した本人…陽介にあるからな」



その後 奈良坂くんが「放課後、本部に来れるか?その時に辞典を渡したい」とお願いしてきたので、二つ返事で了解した

……もしや3馬鹿の一人に出会えるチャンスなのでは!?






古寺くん→←笑えないから



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (436 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
887人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:-naki- | 作成日時:2017年12月25日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。