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第65話 かめら ページ18

進んでいくと、
街並みは、まるで中世ヨーロッパの様に変わっていく。

レンガと石造り。


写真を、撮りたくなるような。


と思いかけて、はっとマサイさんの方を見ると、何やら、カメラ…?らしきものを構えている。


「シルク、シルク。」


「ん?」


「ちょっと、マサイさんのところ行ってくる。」


しょうがねぇなと、傾く眉毛と。

名残惜しそうな目の後に、


「分かった。」


と、ぱっと手が離れて、いそいそとマサイさんに近づいてみる。


「ん?気になる?」


と、嬉しそうに微笑んで、


「うん。すごく。」


言うと、


「これはね。インスタントカメラ。」


「すっごくお洒落。」


「だろ?」


自慢げに言ってから、


「俺、人間の作るカメラも性能的にはいいんだけど、どうもこの木のあったかみが好きで、こっち使いたくなっちゃうんだよな。」


と、懐かしさを瞳に宿して、続けた。

それから、撮ってみる?と、私にその木の箱を渡す。

私は、急に手渡されたそれに、


「ど…どうやって使うの?」


と、わたわた尋ねた。

彼は、可笑しそうに、


「この箱のさ。穴あるでしょ?」


見ると、確かに私の手には少し大きい長方形の箱の右上に、また長方形の小さな穴。


「そこを覗いて…。あと、横にボタンがある。けど、そっか、フィルム巻いてたっけ?」


彼は、ひょいと私からその箱を取ると、下をかぱっと開いて、そこから出てきたレバーを回す。

それから、それをしまって、はい。と私に渡した。


「面白いね。」


思わず、興奮気味な声が出る。

彼は、


「だろ?」


と、笑ってから、


「ほら、好きなもん、撮ってみ。」


と言って、私の肩を持った。

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設定タグ:フィッシャーズ , Fischer's , シルク   
作品ジャンル:恋愛
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wakame(プロフ) - HANAさん» わぁぁああ!!!お久しぶり!!!HANAしゃんんん!!待たせたぁあ!!! また書いていくよ〜!!!(*´ω`*) (2020年4月17日 14時) (レス) id: 83c6b9e631 (このIDを非表示/違反報告)
wakame(プロフ) - Mikaさん» 大変お待たせしてしまいました…!! ぼちぼちと更新再開していけたらと思っております!! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 83c6b9e631 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - うわぁぁぁん、更新だぁぁぁヽ(;▽;)ノ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)
Mika - 未だに更新待ってるのは私だけですか…? (2019年10月13日 12時) (レス) id: 37a1820ea0 (このIDを非表示/違反報告)
HANA(プロフ) - 更新!更新!更新〜!!!!ありがとうございましたぁ!!! (2018年7月13日 19時) (レス) id: 38cba622c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:wakame | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年1月19日 20時

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