もとからお前しか見えてねぇよ[３Ｚ 高杉晋助]

episode３６ ページ36

ポロポロと、滴り落ちる雫が目に入る。あぁやって言ったもののやっぱり分かるんだ。




『まだ晋助が好きなんだって。』




さっき腕を捕まれた時、どことなく嬉しかった。Aって呼んでくれた。それは私の心を治すには充分だった。


もう、諦める覚悟を決めた癖に…………情けない。


急いで屋上へとかけ上がり、声を上げ泣いた。今までに流した涙よりもたくさん泣いた。





『もう、前に戻りたいなぁ…………









─────────戻れる訳なんかないのに』




本当に今更後悔しても遅いのにね。本当、私って馬鹿よね。こんな辛い思いするならあのとき素直になってたら良かった。




そして日が経ち、文化祭前日となった。みんなの執事やメイド服は完成。ホントは私が晋助に連絡しなきゃいけないのに桂君がやってくれた。




『ゴメンね、』




桂「こんなの大したことではない。それより、晋助と仲直りしたらどうだ？」




『出きるならそうしたいけど・・・晋助、新しい人(女の子)いるみたいだし。』




桂「さて、それはどうかはわからんが明日、一緒に回ってみろ。それからだ、」




『わ、わかったよ。ありがとうね、桂君。』




桂「だから大したことではない。明日、頑張るんだぞ。」

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