四鳴き ページ4
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ザラザラと音を立てて犬用の皿に入れられるドッグフード(ヒューマングレードだから食べて大丈夫らしい)。言われるがままに、おすわりのポーズをして次の指示を待つ。
こうして素直に言う事を聞けば、少年は「ふふふっ」と笑って食べる事を許可してくれる。
許可が貰えたのなら、後は犬らしく口だけでドッグフードを貪る。
手を使って食べた時は怒られた。「犬はそんな事しないよね？」と圧をかけられた。
そうは言っても、口だけは難しいのだ。今でも上手く食べれない。ボロボロと、こぼしながらでしか食べられない。
「ふふ、ふふふ。あーあ、みっともな〜い。お姉さんったらいつになったら綺麗に食べられるのかねぇ？ 犬畜生のお姉さんには無理なのかな？ 僕がいなくなったらお姉さんどうなっちゃうのかねぇ〜？」
私に付けた首輪の鎖を、食べてる途中にも関わらずにぐいっ、と引っ張られる。
少し苦しいが、このくらいならもう慣れた。
少年は、相変わらず笑いながら「しょうがない駄犬だなぁ」と私の汚れた口周りをいつもの手巾で拭き取られる。
少年は私の顔を手巾で拭くのが好きらしい。よく分からない感性をお持ちのようで。
それはさておき、私は少年を観察する。
また傷を負ってきたのだろう、包帯や綿紗の白が増えている。相も変わらず手入れのされていない蓬髪は、昔から特に気にしていないのだろう。少し傷んだ黒色は、少し茶色に見える。
「……なんだい、そんなに見て」
そして、少年の目は闇の底のようだ。
きっと、この色が変わることはないのだろう。せめて出来る事は、夜空の星のように光を灯す事だろうが……嗚呼、それが出来る人はこの少年の周りに居るのだろうか？
なんでもない、と伝えるため、私はふるふると首を振る。
「そ…、じゃあ僕行くから」
少し間を置き、少年は玄関へと向かう。
私は鎖のせいで玄関まで行けない。だから、少年が出て行く前に、いつもの一鳴き。
「わん」
すぐにバタン、と扉が閉まる。
後は、少年が帰ってくるまで犬だが猫のようにごろごろと日が傾くまで過ごすしかない。
ぼーっと、鎖で届かない窓越しの空を眺める。
そういえば、私は行方不明扱いにでもなっているのだろうか。それとも既に死んでいる事になっていたり？
……まァ、どちらでも関係ないか。多分、私は一生ここから出られない室内犬なのだろうから。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (3月14日 22時) (
レス) id: 6e53b86b4a (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - え ろ い((殴 ええすみません。こういうの大好きなんです…。ヤンデレは世界を救う!!!!!!!!!!!!!!!!!! (12月4日 19時) (レス) @page11 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - SATSUKIさん» ありがとうございます！ 作者の完全なら好みで書いた作品なので、好みの波長が合いますね！ (8月26日 21時) (レス) id: 8bd20bc31c (このIDを非表示/違反報告)
SATSUKI - 久々にめっちゃ好みの作品を読みました！神作品を書いてましたもらいありがとうございました!!!!!!!!! (8月26日 20時) (レス) @page11 id: aa9a9640cf (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - すかいさん» ありがとうございます！ そうです純愛です。誰がなんと言おうと純愛なのです… (7月2日 15時) (レス) id: 8bd20bc31c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロツメココロ | 作成日時：2023年6月19日 20時
