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「笑うからよ」
「うるせー…」
新一の頭にコブが出来た。やった本人は笑顔で幼馴染と会話していた。
「それで?なんなの調べてほしい事って…?」
「じ、実はね…」
「おや?客人かね広美さん…」
「義房叔父様!!
ホラ、小さい頃よくウチに遊びに来てた、有希子さんですよ!」
広美さんが義房おじさんにママの事を話したけど、おじさんはピンときてないみたい。聞いてると、おじさんはブラジル暮らしが長かったみたい。それより気になったのは、そのおじさんの後ろに居た人。
「まあゆっくりしていきなされ!
ホレ!行くぞカルロス!」
カルロスと呼ばれた男。広美さんに聞くと、おじさんがブラジルから連れて来た友人だとか。
おじさんとカルロスが見えなくなると広美さんが話し出した。
「ねえ、義房叔父様の事どー思う?」
「どうって?」
「顔とか声とか感じとか…」
「そーねー…。義房おじさんにはよく遊んでもらったけど、私が小学校にあがる前にブラジルに行っちゃったから…」
「やっぱり有希ちゃんも覚えてないか…もう30年前の事だもんね…」
そう会話が聞こえてきた。
どうやら広美さんが調べてほしかったのは義房おじさんの事。三日前にブラジルから帰ってきたが雰囲気が違うと感じたらしい。
ママが広美さんのお父さんに会わせれば?と聞こえた。どうやら義房おじさんは広美さんのお父さんの弟らしい。
「無理なのよ…。私の父義親は…先月癌で病死してしまったから…」
「が、癌で!?」
さらに聞くと広美さんのお母さんは15年前に亡くなっている。義房おじさんの友人も運悪くみんな早死にしていて確認出来るのがママと広美さんの二人だけ。
「でもなんであんなにおじさんの事…」
「もしかしたら…」
「遺産ですよ…」
新一の言葉を遮って声が聞こえた。見ると広美さんの後ろに男性が立っていた。
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作者名:ウォーカー | 作成日時:2018年2月28日 14時