【オリックス】氷見さんはぼっちです【2】

変わった後輩たち ページ8

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山本は氷見と自主トレするにあたり

氷見が唯一
心開いている山崎颯一郎に色々と聞いていた


#63「えー、氷見は見たまんまっしょ

野球のことしか考えていない
野球以外何も興味ないヤツ

ずっと練習したがるから止めんの大変でさぁー」

#18「ほーん」

颯一郎の言ったことを軽く聞き流していた



そして今


『趣味は野球で、特技も野球です』


#D19「わー、かっこいい！」




『山本さん
練習し足りないので、走ってきます』


#D19「俺も行きます！」





#18「(宏斗かなり影響受けてんな)」

そこまで氷見に高橋が懐くのは意外だなと山本は思う



ただ氷見は良くも悪くもマイペースと言うか
他人の気持ちが読めない男で

しばらくすると息を切らした高橋が帰ってきた


#18「おー、宏斗おかえり」


#D19「一緒に走ってた筈なのに
あの角曲がったらもういなかったです」


#18「あー、そう
(そろそろ練習やめさせないと)」


#D19「氷見さんって、不思議な人ですよね
ずっと練習してるか寝てるかですし
ペンギン持ち歩いてますし」


山本がジョークであげた筈のペンギンのぬいぐるみを
氷見は持ってきていた


荷物の横にペンギンを置いているとすぐに自分の荷物がわかりやすいから重宝している、らしい


#18「ほんと、氷見って変なヤツ」



そして、なんとか氷見の練習を止めて食事に出掛けるも




『この時のダルビッシュさんの投球がーー』


#D19「それを言うなら、あの時の由伸さんの緩急がーー」


と2人して好きな投球をお互いに語っている




山本はその時察した



この目の前にいる後輩2人は性格は正反対だが

マイペースかつ鈍感という所はよく似ている



だから氷見も人見知りせずに話が出来るし

高橋も氷見の人を遠ざけるオーラとやらには気付いていないのだろう



#18「(とんでもねぇヤツの自主トレ
引き受けちゃったなぁ)」

と山本は内心毒づいた

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