【文スト】その少女、実は______

過保護 ページ39

「大丈夫か！」

そう言って中原様が私に駆け寄る

「はい、作戦成功です」

「いや……二人に演技があまりにも凄くて思わず於菟を殺したくなった」

「酷いです」

「そうですよ」

「悪い……」

「本当に……驚いたね」

「太宰様！？」

何故か呼んだ覚えのない太宰様がいた

「中也がねぇ“もし彼奴らの作戦が失敗した時ように来い！”って言われてねぇ。ま、そのお陰で黒い影の正体も分かったしね？」

「もう既に分かっていたでしょう？」

そう言って出てきたのは

「アンヌさん」

「A……久しぶりね」

そう言って笑う

「……矢っ張り姉さんに似てる」

「そりゃ、私が彼女のコピーですから」

そう言ってから首を傾げる

「そう言えば何故私の事を急に姉さん呼びに？」

「……だってオレの前に作られたし似てるから」

そう言って於菟が笑う

「可愛い弟ね」

「まぁ……そうですね」

「その声はあの時の」

太宰さんがそう言うと於菟はハッとしてお辞儀をする

「その節は失礼しました……姉さんの恩人と知らずに」

「構わないよ。にしても……確かに二人はそっくりだね。表情豊かなのが弟君か」

そう言いながら全員外に出る

「さっさと帰って首領に報告すんぞ」

「はい。ですが少しお待ちを……」

そう言って少し遠くから私たちを見ているアンヌさんに近寄る

「……如何したの」

「今、私は幸せですから貴女も幸せになってほしいです」

そう言えばアンヌさんは少し驚いた後

「……ありがとう」

そう言って優しく笑った

私にもいつかこの表情は出来るだろうか

「またね」

「はい」

そう言って別れる

それぞれの道へ

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