文豪達との青春 【学スト】

過保護な兄 ページ30

午後の授業も終わり、家に帰る

「お帰りA」

そう言われて頷きながら

「これ、学園祭のお知らせです。私はイベントで白雪姫に出るんです」

「ふむ……白雪姫役か？」

「うん、あたり」

「成る程……では」

兄さんは満面の笑みで

「デジタル一眼カメラを持って行こう」

「やめて、せめて普通のカメラにして」

兄さんに関してはカメラで撮られるのはもう諦めた

「仕方がない、一番前の席に行こう。それで学園祭でAのクラスは何をするんだい」

「えっと……男装女装喫茶」

そう言えば珍しく兄さんが目を見開く

「なんだそれは」

「男子生徒が女装してお客様をお迎えして女子生徒は男装をして迎えるの」

「ほお……面白そうだな。Aなら男装も似合うだろう」

「来るなら来たら？」

「必ず行こう。この命が尽きても必ず」

「重い」

そう言ってプリントを渡す

兄さんはそのプリントを見てから小さな声で何かを呟いた

「どうしたの」

「いや、知人が居て少し驚いただけだ。というより……ふむ」

兄さんはそう言って少し笑う

「楽しみにしているよ」

と言った

後日、兄さんに話さなければ良かったと私は後悔するのをまだ知らない

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