はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://繰り返し ページ40

「綺麗だな」



唯一貴方の褒め言葉

いつもと変わらぬ口調に変化の無い言葉でも、この仕事を認めてくれるのは貴方だけ



合掌、故人に対しての敬意

して、弔い


シャットしていた瞼をゆっくり上げた






＿＿ここは廃と化したビル


またもやジンさん直々のご依頼だ




「今回の報酬だ」

『...どーも』



渡される封筒を掌に納める、が、中身に大勢の偉人様が顔を覗かせようと前程の満足感はない


...全部、失ったな



計り知れない欠乏感が襲うのに蓋をした




「...機嫌が優れないようだな」

『えー、そう見えます？』



無機質なトーンで告げ、流れ落ちる髪を耳にかけた




...何も聞くな、の合図




「......」


気付いているやらいないやら。ジンさんが黙ってポケットから煙草を取り出した瞬間だった




ドガンッ！！！＿＿とバックに文字のまま現れそうな効果音が辺りを制する



『えっ何なんです？』

「...撃襲か」

『撃襲って言葉そんな軽く出ちゃいます？』


この人が言うと言葉の重みが皆無だな


撃襲って蟻の行進か何か？？？



『うわぉ。こりゃやべぇですぜ』


吹き抜けの良い壁から外を見渡せば沢山のサイレン



＿＿所謂、警察



ウォッカさん口調を真似てみる余裕が私にはあるんだな。私の馬鹿阿呆畜生め



「＿＿一発見舞ってくるか」

『ジンさんたまに頭弱いですよね』


ごめんジンさん。かなり馬鹿にしてる


だってさ、いくら愛人ベレッタ放っても相手は数百人のポリスメン。一発で終わらせるなぞ何処の厨二風貌だ




「＿＿ふっ、安心しろ。白旗挙げる気なんてねぇ」



別に不安も何も。寧ろ何処に安心する要素があるのか理解は出来ない、が。



...多分こういう日が来る事の予感はしていた




日本でよく見る警察だけじゃない



よく見れば他国のお偉い警察官までスタンバイしているではないか




『何も今来なくても』




きっと今日



全て決着をつける気だ






「こっちだA」




手を差し伸べるジンさん




＿＿そうやって、20年前もあのみすぼらしい家から拐ってくれたのは貴方だけだ





『...っ、ムカつくぐらい格好いいですよ、貴方は』




そんな皮肉を口に苦い顔をしながら




私はまた、貴方の手を握り返すんだ

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