はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://足下ならぬ隣の死体 ページ37

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交差点

行き交う人々

ジオラマ



ビルが立ち並ぶ、空気が綺麗とは言いがたいこの都会のど真ん中


ほんの人混みを縫う様に、流れる様に歩み続ける



公道のシンボルとも言える噴水の前


出会いは最悪


いきなり職質をぶっかましてきたあのガキはいない



...ただ意味もなく、大きなだて眼鏡をかけ、アホ毛を揺らし、スケボーを抱えるガキを思い出した





＜私の妹を、返して下さい＞



ふと耳に届いた悲痛な語りかけ


きっと自分だけでなく、何人もの人が宣伝用液晶パネルに目を向けた



＜父はなぜ殺されたのでしょうか＞

＜姉が帰ってきません＞

＜祖父母が死ななければならなかった理由は何でしょうか＞

＜当時、日本は悪魔を産み落とした＞



[無差別誘拐事件＿姿を消した、愛する人へ＿]


今夜20時放送



この事件を知らない人も、なんなとくおぼろげに知る人も


ドキュメンタリーとして流れてしまえば簡単に視聴出来る世の中



死人に口無しとはよく言ったもので


もはや私の親は人間扱いですらされていない



＿＿そんなのどうだっていいが




＜あの夫婦を、死んでも赦しません＞



『＿＿死んで償えたら、楽だよなぁ』



立ち止まりパネルを見上げる人々

忌々しい出来事を思い出すかの如く表情をしかめる人もいる




殺人鬼の親をもつ事へのコンプレックス

貧乏な幼少期への劣等感

犯罪者の娘というレッテル

地獄と言うには生温い


それでも尚生きていたいだなんて図々しい？馬鹿言え、自分が一番理解してる




戒めも待ち続ける


赦せとは言わない


贖罪に呑まれてもいい




＿＿だから。



誰も私を見付けないで








＜私達は今でも、桜木芽依ちゃんの行方を探しています＞

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