はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://暴き ページ38

コナンside




＜あの殺人夫婦に裁きを＞



語り手による悲痛な懇願


ふと足を止め、そのパネルを見上げた




＿＿出会いは最悪だった、かもしれない


何処か自虐的で壊滅的な大きい子供の様な人だと思った






忌憚

剔去

覿面



背後に迫る、伸びた影





『＿＿背後は気を付けろって言った筈だろ？』





掴まれた、肩


脈打つ心臓が煩いなんて気にしてられなくて



「A、さん...」




白日の元に晒される今日


行き交う人々、町のど真ん中


『ガキに話があるんだ。＿＿ついて来いよ』




**


Aside



初対面時に無理矢理押し込んだ路地裏


人目は一切感じない




「...20年前の二つの誘拐事件。無差別と贖罪、そのどちらにも深く関わってるのは


＿＿Aさんでしょ？」



聞いてる割には何処か核心をついたと言わんばかりの口調




...バレたもんは仕方ない


じわじわと永久凍土が広がっていくよう




『あぁそうだよ。


私の両親は殺人鬼


土産に持って帰ってくるのはいつも死体


死体と共に暮らす貧乏生活





＿＿ガキの頃、死体の積み重なった部屋でただひたすらに掃除をしていた記憶がある』



細く深く髄から吐き出す凍結した息



『煙に撒いて雲隠れして。誰にも見付からずひっそりと生きてたのに...お前が見付けちゃったんだもんなァ？』



ある人は笑う事を知らない


ある人は泣く術を与えられていない



全部無かった事に出来れば楽だし、諦めてしまいたい気持ちも少なからずある


...けど、一度逃げに撤すれば一生楽な道に走る




『ガキが喫茶店で言ってた、白黒云々の話。何で人は白黒たった二色で裁かれなきゃなんねーんだ？』



人格そのものを否定

それこそ法廷で罪を下す裁判官のがマシに思える


『お前にとってクロは害って訳か』

「別にそんなんじゃ＿＿」


苦しい言い訳も今は耳に届かない

髄にも響いては来ない



＿＿調子に乗るなよクソガキ風情




『じゃあお前の言う、白黒なら＿＿お前にとって私は黒だ』

「っ、何で、」



何でだなんて、そんなのこっちが知りてぇよ




『...なぁガキ


アンタにだって暴かれたくない事の一つや二つ



＿＿あるだろ？』




呑み込むサイレン

沈まぬ夕日




さぁ答えを吐き出せ探偵




『＿＿APTX4869の人体実験第一モルモット。高校生探偵の工藤とやら』




真実を一つに搾り込むにはあまりに残酷過ぎる

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