はい、私が死体処理班の者です 2【名探偵コナン】

http://留まる者 ページ19

コナンside



人気の無いランドの裏側


壁に背をついて“あの日”と同じように角のその先を覗く素振りを取る





＿＿工藤新一が江戸川コナンになった日



トロピカルランドのこの場所


忘れもしない



探偵らしからぬ好奇心に殺される被害


黒の組織と対面の舞台



「...っ」


思い出すだけで身震いする程に極寒の何かが通り抜ける



あの日、好奇心に負けていなければ


後を追わなければ


背後の気配にいち早く気が付いていれば＿＿





『＿＿おいガキ』



「＿＿っうわあぁ！！？」


掴まれた肩

思わずオーバーリアクションでその場から退く



「なっ、んだ...。Aさんか...」

『お前こんな所で何やってんだ。他のガキらも待ってんぞ』


親指をクイッと背後へ向けた先は丁度居合わせた光彦達の姿



「あはは...ごめんなさーい」

『ヘラヘラしてんじゃねぇ。分かったならさっさと行くぞ』



彼女が返しかけた踵をピタリと止め、顔だけこちらに振り見下ろした




『＿＿...背後には気を付けろよ』






視線


死線


それは自然なまでに喉を鳴らす



...ただのありきたりな脅し文句？




それとも




＿＿薄々勘づかれてる、のか？




「工藤君」



気を付けろと忠告を受けたばかりの俺はやはり背後は弱いらしい


潜めた声で呼びかける灰原にも一瞬ビクつく




「彼女、何者？」

「わっかんね...。一体何処まで把握してんだ」


二人してその姿を危ぶむ思いで見上げる




「...私が組織に居た頃、一度噂を聴いた事があるの。＿＿ジンの女が存在するって」



多少青ざめ目を細める灰原に耳を傾けた




「...その女が莫大な資金集めをしてる、そう誰かが言ってたわ」



莫大な資金集め



工藤新一が熱を出し、ひょんなとこからAさん宅にお邪魔した時



そこで見付けた大量の通帳とそこに記帳された多額な金額



あれは何を目的とした資金なのか





「...嫌だわ。多額な資金集めなんて＿＿組織と意向が似てるもの」




灰原の言う通り彼女は一体何が目的なのか


組織に貢献する為の金額なのか




「それともう一つ。彼女が誘拐されたとした事件から20年。当時彼女は7歳


一体“誰の元で”暮らしていたのかしら」



自問自答のような問いに眼鏡を押し上げる




知らない方が良かった事なんて腐る程ある訳で




それはもう答えが分かっていたとしても

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