【2BRO.】ノワの頭の中 (ページ5)

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Cigar Kiss Ⅱ (青、緑、赤) ページ5

おついちside
上目遣いで俺に向かって煙草に火をつけて欲しいって？
わがままなお姫様がご所望ならどんな方法でもつけてあげたいわけで。
すぐそこのソファに腰かけて何食わぬ顔でスマホを触って、気にしていないフリをしているお兄さんに見せつけるようにAちゃんに顔を近づけ、煙草同士でキスをする

近くで見るAちゃんの伏し目がちな姿が、まつ毛の長さが、白く柔らかそうな肌が、
俺をひとりの男であり、オスであると実感させられるとともに俺を虜にする
そんな俺に気付いてかふと視線が交わる
Aちゃんの煙草に火が移るまでほんの数秒の出来事が、長く感じてしまう
また同時に離れていくことへの一抹の寂しさにおのずとAちゃんの頬に手を添えようと動く

『ありがとう。おついちさん』

手がその肌に触れる前にパッと俺から離れ、“女”の視線を投げかける君は妖艶に笑っていた
そんな俺はAちゃんの眼から視線を外せずにいた
まるで俺たちしかここにいないんじゃないかという錯覚に陥ってしまいそうだ

「どういたしまして。火がいるときはいつでもご用命を。俺のお姫様」

君に余裕のなさがばれないように伝わらないようにおどけて見せるが滑稽だ、と心で苦笑をこぼした

弟「あぁ！おついちさんずるい！俺もシガレットキスしたい！」

お「弟者くん⁉せっかく俺とAちゃんがいい雰囲気だったのにぶち壊しだよ！」

兄「うるせぇぞ、弟者。静かに下りて来い」

生配信が今しがた終わり、自室から出てきたところで先ほどの行為を見られていたらしい。
いい雰囲気だったのに。と内心ため息をつきつつ、階上にいる弟者に声をかける。
兄者も鋭い目つきをもっと鋭利にして弟者に向ける。
俺や兄者に怒られた弟者は、へへっ。ごめん。と悪びれもせずリビングに下りてくる。

弟「俺もAちゃんとおなじやつ吸いたいから一本頂戴」

『ん、私のミリ数でいいの？』

弟「うん！ぜんぜん平気！ちょ、おついちさんずれてよ」

笑いながらもらった煙草を咥え、俺に退けというんだから、おこがましい。
と思いつつ弟分のいうことは聞いてやるのが年長者としての責務だろうと、席を立とうとすると、Aちゃんが俺の右手をつかみ立つことを阻害する