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17-熱 ページ17

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「悟さんて、何の教科の専門なんですか?」

「え?」

「先生やってるって言ってたんで、気になって」





映画館のあるショッピングモールを当てもなく歩きながら、ふと気になったことを質問してみる。悟さんが一瞬だけ言い淀んだ気配があって、しまった踏み込みすぎたかなと焦ったが、「体育だよ」と軽い調子で答えてくれた。





「へぇ、そうなんですね。確かに、運動得意そうに見えます!」

「そお?」

「はい!逆上がり連続で100回以上できそうですもん」

「ふは、まあできるだろうね。やりたくはないけど」

「え!できるんですか」





冗談で言ったつもりがまさかの肯定されて、思わず勢いよく悟さんの方に顔を向ける。パチッと目が合う。サングラスの奥にある瞳は、柔らかに細まっていた。熱烈な視線を浴びて、目が離せなくなる。

不可抗力で、息が詰まる。





「……な、何ですか……?」





緊張のせいでやっとの思いで絞り出せたのは、そんな一言。

悟さんは表情を変えないまま答えた。





「Aが僕に興味持ってくれて嬉しい」






眩しい、
滑らかなようで、奥に燃え上がるほどの熱を秘めている瞳が。

ドクドクと心臓が活発に動き始める。


いい年の大人が、こんな事で心を乱されるなんて。


悟さんは目元を微かに赤らめてはにかむ。





「気になること、なーんでも聞いてよ。僕、NG無しなんで!」

「はは、悟さん芸能人なんですか」

「まあ似たようなものかな」

「えー?」





くすくす笑えば、悟さんは嬉しそうにする。

悟さんのその表情を私が引き出してるのだと思うと__胸が騒めくし、同時に痛む。


熱が伝染する前に、目を覚さなければ。





「……最近、奥さんとはどうですか?」

「、…………うん、少しは良い方に前進できたと思う」

「ほんとですか!なら、よかったです」

「…」





きちんと境界線を引く。


私と悟さんはお互いにパートナーがいる。

だから、これ以上近づいてはいけない。

近づけるのは、友人としてまで。



そうやって線を引いた、のに。





「Aのおかげだよ。Aがアドバイスくれたから」

「…」

「ありがとう」





どうして、

彼の瞳に募る熱は、消えてくれない?






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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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- ぱぅちさんの作品見たんですが今ハマってしまいました😁これからも他の作品を頑張ってください🙏👍 (11月4日 17時) (レス) @page37 id: 053afa639a (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 最近呪術廻戦の夢小説にハマったのですが、このお話、めっちゃ好きです!!ありがとうございました!! (6月30日 17時) (レス) @page36 id: c2b1544657 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 良い感じにお互いがすれ違っていて凄く素敵なストーリー構成でした! 恋をした所の描写を丁寧に書く事で読む内にどんどん世界観に引き込まれていきました。とても綺麗なお話をありがとうございました! (2022年2月2日 23時) (レス) id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - ふぅさん» 今作では五条さんの一生懸命な片思いを描けたかなと思います!笑 こちらこそ、最後までお読みくださりありがとうございました…!😭☺️ (2022年1月1日 16時) (レス) id: 311247fabe (このIDを非表示/違反報告)
ふぅ(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。ずっと柔らかい雰囲気でとても好きなお話です。次回作も楽しみにしています! (2021年12月23日 23時) (レス) @page37 id: 56676c275e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぅち | 作成日時:2021年7月31日 22時

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