23-質問 ページ23
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もしもこれが夢ならば彼のキスを素直に受け入れられたのに。
現実だから、離れないといけない。
目の端に溜まった涙が溢れないように我慢し、そっと彼の胸を押し返す。
まだ唇に残る熱がまた胸を締め付ける。
「……ここまでされりゃ、分かんだろ」
そう訴える船長の声色は悲痛そのものだった。
熱の籠もった瞳から逃れたくて、視線を爪先に落とす。
彼は目を背ける私に念を押すように構わず続ける。
「分かってんだろ、おれの気持ち」
顔を上げ、一度だけ首を横に振る。
船長の眉が怪訝そうに微かに動く。
これが精一杯の抵抗だった。
「……分かりません」
「嘘吐くんじゃねェ」
抑え込んでいた涙が静かに溢れる。
私はまた「わ、かんないです…」と大きくかぶりを振る。
床に落ちていく雫は、まるで最初からなかったかのように吸収されていく。
船長の私を想う気持ちはこれと同義だ。
所詮、錯覚だ。
頬にできた涙の道を拭い取る。
「ちゃんと、おれを見ろ」
…
その一言で、私の中の何かがはち切れる。
感情が昂り、ギリッと奥歯を噛み締める。
「…………見てないのは、貴方の方でしょう」
「あ？」
言うつもりのなかった台詞が脳を通らずに、直接喉を通り抜けていく。
「質問させてください」
ずっと船長の好意から逃げていたのに、この質問をできなかったのは、私も彼が好きだから。
私に飽きてくれればいいと薄っぺらく願いながら、心の奥底では多分このまま好きでいてほしいと思ってた。
だからようやくツケが回ってきたんだ。
船長の気持ちを弄んだきた私に。
「船長は、……私が例え、ナギナギの実の能力者じゃなかったとしても、仲間に誘ってくれましたか？」
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
