22-お前のことが ページ22
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昨日、部屋に行った時。すぐに追い出されて素っ気ない態度を取られたから、好意に気づかないフリをする私に愛想を尽かしたのかと思った。
しかも船長を好きだと認めてしまったから、それが余計に辛くて。
どう顔を合わせようかと今までで一番悩んでいた。
……なのに。
朝、見苦しくない程度にパパッと身だしなみを整え、食堂に向かう途中の通路で、壁に寄りかかっている船長に遭遇した。
珍しい。いつも一番遅くに起きてくるのに。
「おはようございます」と頭を下げて通過しようとすると、「A」と呼び止められた。
「昨日は……その、なんだ、……」
「？船長？」
船長は煮え切らない風に言葉を濁し、帽子ごと頭をがしがしとかく。
くそ、と舌打ちをして。
「……悪かったな、」
「…」
「冷たくして」
目を見開く。船長らしくない発言に。
そしてハッと息がつまる。
……そんなの、船長が謝ることじゃない。
「これでも迷ってたんだ。お前に、どう接するか」
開いてはいけない、パンドラの箱。
「おれは、お前のことが」
「____やめてください！」
聞きたくない、と手で耳を塞ぐ。
今まで必死で気づかないフリをしてきた。
船長のその気持ちが消えるまで、ずっと知らん顔をするつもりだった。
なのに、どうして今になって。
船長は「聞け」と私の手を掴んで耳から離す。
必然と交わってしまう目線。
真ん前にある瞳には、私は映っていない。
両手は掴まれたまま。
逃げ場を失った私に、船長は正面から口を開く。
「Aが好、」
船長が言い切る前に踵を上げて、余計なことを聞いてしまう前に口を自分のそれで塞いだ。
低体温な彼らしい、少しひんやりとしたキス。
本音を言っていいのなら、船長とこうして触れてみたかった。
船長が動揺する気配がした。
ほんの数秒。告白を阻止する目的は叶ったので、ゆっくりと唇を離す。すると、両手が解放される。次は後頭部に手を添えられ、固定される。
息をつく間も無く、また乱暴に唇が重なった。
拒まないといけないのに、このままでいたい矛盾した自分に気づいて、目尻に涙が滲んでいく。
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涼野紫乃(プロフ) - 完結おめでとうございます！作者様のローオチの作品は他にも読ませていただいてますが毎回話の構成、終わり方が最高で泣かされてしまいます。新作も絶対読みます！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2020年8月16日 8時) (
レス) id: 5f142ceaa5 (このIDを非表示/違反報告)
てい。(プロフ) - 完結ご苦労さまです！更新まだかなと楽しみに思えるほどこの小説が好きでした！1番が気になっています、気になりすぎて早く読みたいくらいですが…これからも頑張ってください！応援してます (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6af5281e1b (このIDを非表示/違反報告)
ぱぅち(プロフ) - 皆様ご協力頂きありがとうございました…！一人一人にきちんとお返事したいところですが、有り難いことに多くの方にご意見をもらえて…泣 でもコメントや感想はすべて読ませていただきました！本当に温かいお言葉をもらえて嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2019年9月24日 17時) (レス) id: fbe06363c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴろぴろ(プロフ) - 完結お疲れ様です★遅くなりましたが、3番が読んでみたいです(*´∀｀) (2019年9月24日 11時) (レス) id: 5ce8d72b22 (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - 2.3どちらも捨てがたいです(ﾟ´ω｀ﾟ)！完結お疲れ様でした！ (2019年9月24日 1時) (レス) id: e1ea64eec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぅち
| 作成日時：2019年9月8日 18時
