不器用女VSシャイ男【You.Y】

Round13 ページ14

A「…なに?今の女」

横山「…は?

あぁ、あの子はただの同僚やで」

A「…」

ふてた顔で見上げてくる。

真っ直ぐな瞳がいやで、遠くに目をやる。

A「あっ、目ぇそらした」

横山「はぁ?」

A「浮気は許しませんよ」

横山「誰が浮気なんぞ…‼」


ーガコン


横山がAに反論しようとした瞬間、エレベーターが

揺れて停止した挙句、電気まで消えて真っ暗に

なった。

横山「‼」

A「わぁ!?」

すぐに緊急用の薄暗い電気が点くが、エレベーターは

動かないまま。

横山「雷でも落ちたんなかな…?」

ふと下を見ると、Aががっちりと横山にしがみ

ついていた。

横山「あー…A?」

Aを離そうとするとAは横山の手を振り

払ってしがみつく。

A「やだ…」


暗いのと狭いの、別に苦手ではないはずだけど、

同時だとどうにも……。


小さく震えて抱き着くAに、横山はどきまぎ

してしまう。

で、なんだか虐めたくなる。

横山「…さっきまでの態度はどうしてん?」

Aを引き剥がして手首を掴むと、反対側の

壁に押し付ける。

A「裕くん…」

腰の抜けたAはへなへなとその場にへたれこむ。

それに合わせて覆いかぶさるようになる横山。


恐怖とときめきが混じり合って、もう混沌状態だ。

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