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｢どう､と言われても……｣
質問の中核が見えず困惑したように言葉を濁す骸｡助け船を出すかのごとく､クロームが言葉を付け加えた｡
｢ボスの様子で変なところはないかってことみたいです｣
｢ああ､なるほど｣
納得したようにうんうんと頷いた後､彼ははっきりと言いきった｡
｢沢田綱吉ならずっと昔から変わり者です｡今さらなんて当たり前のことを聞くんです?｣
骸の発した言葉がすぐにそしゃくできなくて､Aは一瞬固まった｡
その間に骸はペラペラと自分の思うツナの変わったところを語りはじめた｡止まる様子はまったくない｡
｢ああ､それから｣
｢ま､待って!｣
｢どうかしましたか?｣
不思議そうにストップをかけたAを骸は見下ろす｡何故止めたのか分からないとでも言いたそうな顔をしていた｡
しかしながら何でと言いたいのはAも同じだ｡
｢あのね､骸さん｡Aが聞きたいのはそういうことじゃなくて｣
｢ではどういうことで?｣
｢だから､その｣
上手く説明できず唸り出したAを嘲笑うかのように骸は高らかに笑い声をあふれさせた｡
唖然としているAをよそに､彼はそのまま去ってしまった｡
｢……もーっ!何なの!?｣
訳が分からずそう叫んだAを､クロームは必死になだめるのであった｡
その晩､Aは夢を見た｡
馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばせたらいいと思うくらい､リアルな夢を｡
Aが異議を唱えたことに対して､彼女の前に経った者は口を揃えて言う｡
｢分からない｣
｢考えすぎだ｣
彼らはシルエットで顔ははっきりとしていないものの､何となく面影のある人物ばかり｡
Aは叫んだ｡
｢何で分からないの!?皆おかしいよ!｣
その瞬間､彼女の周りを取り囲んでいた人々は姿を消し､代わりに1人の人物が現れた｡
｢A｣
優しく名前を呼ぶ声が聞こえた途端､もうAは何も言えなくなった｡
彼の腕の中には見覚えのある黒猫｡彼に操られるまま､その黒猫は手を振っているらしかった｡
｢あっちに行っても元気でな｣
あっちってどういうこと?何で寂しそうな顔でAを見るの?
浮かんだどの疑問も聞けぬまま､彼の姿はもやがかかったように遠ざかって……｡
気づいた時には､ぬいぐるみのダイナを抱きしめて目を覚ましていた｡
隣に寝ていたはずの山本はトイレにでも行ったのか､ベッドにはA1人だった｡
ムクリと起き上がると､ダイナをきつく抱きしめ直す｡そこにいることを確かめるみたいにぎゅっと｡
｢ねえ､ダイナ……夢､だよね……?｣
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2020年2月15日 16時
