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……まずい｡
Aは数分前の感情をもう一度抱いていた｡
いつまで経ってもドアの方へ向かえない｡なんなら近づくことすらできていない｡
どうしよう｡どうしよう｡
頭の中は戸惑いと焦りでいっぱいだった｡
なんとかして目の前の少年から離れなきゃいけないのに、それが叶うことはない｡にこやかに追い回されるのは、Aにとって恐怖でしかなくて｡
一定の距離を保った鬼ごっこはAのメンタルを着々と削っていった｡
しかし、ハットは突如ピタリと動きを止めた｡ブツブツと聞き取れないくらい小さな声で彼は何かを呟く｡
Aは警戒を緩めることなく、ジリジリと彼から距離をとった｡ハットが追いかけてくることはない｡
｢……んで……して……｣
今ならこの部屋から抜け出せるかもしれない｡
そう考えたAはハットから視線を外すことなく、ゆっくりとドアの方へ足を向けた｡
だけど｡
｢何でっ!｣
2、3歩進んだところで、ハットはバッと顔を上げ叫ぶ｡その途端、Aは思わず息を飲んだ｡
手に負えないほどの狂気を、彼はまとっていたから｡
この人に捕まったら、おしまいだ｡
そう悟った頃には、もう遅かった｡
｢ひっ……!｣
気づけばAのパーソナルスペースに入られていた｡
早い、さっきよりもずっと｡手を抜いていたのかと疑いたくなるほどに｡
咄嗟に後ろに身を退いて避けたが、あと1秒でも遅かったら腕を掴まれていただろう｡
もうAにはこの部屋から逃げ出すという考えはきれいさっぱり消え去っていた｡
とにかくこの少年に触れられないようにすることしか｡
｢アリス、どうして逃げるの?こっちにおいでよ｣
｢や、だっ!｣
Aは急激なスピードアップのせいで、ぜえぜえと喘いでいた｡一方ハットは涼しげな表情で彼女をどんどん追いつめていく｡
傷つけるのは嫌だけど、逃げるには武器を使うしかない｡
Aはぐっと唇を噛むと、腰に下げてある十手に手を伸ばす｡
しかし目をそらした彼女の一瞬の隙を、彼は見逃さなかった｡
｢きゃっ!｣
一瞬のうちに距離をつめ、ハットはAの腕を掴んだ｡
引き寄せられる力にAが抗えるはずもなく｡
｢捕まえたぁ｣
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futureblue�鏡�(プロフ) - ちささん» 初めまして｡コメントありがとうございます!ツナにはかなりお世話になっています,ツッコミにも親バカにも回ってくれるので｡素敵と言っていただけて嬉しい限りです｡できるだけ早いペースでの更新頑張ります!ちさ様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月17日 19時) (
レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - まくすうぇるさん» 初めまして｡コメントありがとうございます!そうですね,大人びているところがあるとはいえまだ8歳児なのでそんたくできないお年頃です(笑)多分順位としたらツナ>>>ヒバード>骸ってところですかね｡ (2019年12月17日 19時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。作中の綱吉と同じ気持ちで毎回読ませて頂いております← すごく素敵な作品でもう更新が楽しみで楽しみで仕方がないです！お体に気を付けて無理せず更新頑張ってください！ (2019年12月16日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 主人公の関心 骸＜ヒバード ぷぷっ・・・www (2019年12月16日 19時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 成田優吾さん» 初めまして｡コメントありがとうございます!何回も読んでいただけてるなんて嬉しさの極みです｡なかなか読者の方の声を聞くことができないので、面白いと言ってもらえて幸せです｡早いペースで更新できるよう頑張ります!成田優吾様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月9日 18時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年11月22日 16時
