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｢……よし｣
手にしていた鎌を持ち直し、Aは立ち上がった｡
｢やああっ!｣
Aは叫びながらバジルのいる方に駆け出した｡
バジルは迫っているであろう攻撃に備えて身を引く｡
しかし｡
｢……は｣
彼女はバジルの横をスッと駆け抜けていった｡
何が起こったか分からず後ろを振り向こうと彼は体をひねる｡
すると風船を持っていない方の腕を前方に引かれた｡不意打ちであったが故に彼の体は少しつんのめってしまう｡
だがさすがというべきか、バジルは風船を持った腕を高く上げて捕まえられないようにするのを忘れなかった｡これで彼女が風船に武器を突き刺すことはできないはず｡
それなのに、彼の目に映った彼女はやけに嬉しそうな顔をしていた｡
そうなることなど分かっていた、とでも言いたそうに笑みをたたえ｡
｢もーらいっ!｣
ピピピッ｡
パンッ!
ピピピッ、ピピピッ｡
Aは荒い息をしながら、へなへなとその場に座りこんだ｡カラン、と鎌が床に落ちる音が大きく響く｡
｢負け、た……｣
風船が割れる寸前で、タイマーが時間切れを告げた｡勝利を確信した彼女の悔しさは、計り知れないほどのものに違いない｡
｢お疲れ様でした｣
バジルが差し出してくれた手に、Aはふるふると首を横に振る｡もはや疲れすぎて、今すぐ立ち上がることすらできない状態だった｡
それを察したのか、バジルは少し笑って隣に腰を下ろした｡
しょげているAの背中に彼はそっと手を添えさする｡彼女の息が整うのを手助けしながら、バジルは言葉をかけた｡
｢A殿がここまでできるとは思っていませんでした｣
｢……負けは負けだよ｣
｢そうですね｡でも拙者は、風船に近づくことすらできないと考えてましたから｡……不覚にも隙を突かれてしまいました｡鎌を使ったのも、風船を逃がさないためだったんでしょう?｣
Aは何も言わずに頷く｡
彼女が鎌を用いたのにはちゃんと理由があった｡
最も使いやすいからというのもある｡
だがバジルがどう行動するか予測した上で選んだというのが主な理由だ｡風船を逃がされても、鎌ならば刃に引っかけて割れる｡あの短時間で彼女はそう考えたのである｡
｢自分で考えたんですよね?初めての実践でここまでできるのはすごいことですよ｣
｢……本当?｣
Aが顔を上げて聞き返せば、バジルは肯定してくれた｡嬉しそうに彼女は笑う｡
｢苦手なところも見えてきましたし、頑張っていきましょう!｣
｢うん!｣
2人は笑顔でこぶしを軽く合わせた｡
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futureblue�鏡�(プロフ) - ちささん» 初めまして｡コメントありがとうございます!ツナにはかなりお世話になっています,ツッコミにも親バカにも回ってくれるので｡素敵と言っていただけて嬉しい限りです｡できるだけ早いペースでの更新頑張ります!ちさ様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月17日 19時) (
レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - まくすうぇるさん» 初めまして｡コメントありがとうございます!そうですね,大人びているところがあるとはいえまだ8歳児なのでそんたくできないお年頃です(笑)多分順位としたらツナ>>>ヒバード>骸ってところですかね｡ (2019年12月17日 19時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。作中の綱吉と同じ気持ちで毎回読ませて頂いております← すごく素敵な作品でもう更新が楽しみで楽しみで仕方がないです！お体に気を付けて無理せず更新頑張ってください！ (2019年12月16日 23時) (レス) id: 6d1f2ce8ab (このIDを非表示/違反報告)
まくすうぇる(プロフ) - 主人公の関心 骸＜ヒバード ぷぷっ・・・www (2019年12月16日 19時) (レス) id: 34699431ad (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 成田優吾さん» 初めまして｡コメントありがとうございます!何回も読んでいただけてるなんて嬉しさの極みです｡なかなか読者の方の声を聞くことができないので、面白いと言ってもらえて幸せです｡早いペースで更新できるよう頑張ります!成田優吾様もお身体にはお気をつけてくださいね｡ (2019年12月9日 18時) (レス) id: 495c86097b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年11月22日 16時
