アリス、ボンゴレの世話になる 01 ページ9
｢というわけで、今日からこの子を保護することになりました｡よろしくお願いします｣
集められた守護者たち(全員は揃わなかった)は呆気にとられて何も言わない｡いや、何も言えない、と言った方が正しいだろうか｡
それをツナは了承ととらえたのか、Aに自己紹介するよう促した｡
Aは自分に集まった視線に若干縮こまりつつ、口を開いた｡
｢Aです｡7歳です｡えっと……皆さんにあんまりメーワクかけないようにします｡よろしくお願いします｣
そう言って頭を深く下げた｡
いち早く何か言おうとしていた獄寺も、Aの言葉を聞いて黙ってしまった｡
たった7歳で迷惑をかけないように、なんて｡
普通の7歳児ならば言わないし、言えない｡
7歳くらいの子供はまだ甘えざかりでわがままも多い年頃だ｡それにも関わらず、この発言｡
なんとなくだが、守護者たちはAのおかれていた環境を察してしまった｡
｢極限によろしく頼むぞ、A!｣
最初に声をかけてくれたのは、晴の守護者笹川了平だった｡しかも、しゃがみこんでAの視線と同じ高さで、だ｡
｢よろしくな｣
｢よろしく……｣
｢楽しくなりそうだなっ｣
Aはまた涙がにじんだが、ぐっとこらえた｡
ここにいる人たちは優しさで溢れている｡
そんな風にAは思った｡
｢それでこれからなんだけど、1週間交代で面倒を見るようにお願いしたいです｡取りあえず最初の1週間は俺が担当します｡Aが皆に馴染んできたら、交代制に移ろうと思います｡それからAを保護したことはここにいる皆と守護者、あと一部の人間にしか伝えていません｡なのでしばらくはできるだけ外部に漏らさないように……｣
途中からAはツナの話を聞いていなかった｡Aにはよく分からない話だったからだ｡
代わりといえるかは微妙だが、彼女は別のことを考えていた｡
――どうして誰も、Aのことを邪魔って言わないんだろう?
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
