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｢誰……?｣
｢ランボだ｣
｢ランボ兄ちゃん!?｣
今日一番の驚きっぷりだった｡
｢嘘だ、全然今のランボ兄ちゃんと違うじゃん｡牛さんみたい｣
｢何言ってんだ?あいつは牛だろ?｣
｢ええっ!?｣
Aはうろたえた｡そんなAの反応をリボーンは楽しんでいた｡
｢だ、だって、ランボ兄ちゃんは人間でしょ?え?違うの?｣
リボーンは笑いそうになりながらも続ける｡
｢あいつは人間に憧れるあまり、変身できるようになったんだ｡だが15歳になったら元の姿に戻っちまう｣
｢牛さんに?｣
｢ああ｣
｢そっか、ランボ兄ちゃんかわいそう……｣
とうとう耐えきれず、リボーンはクツクツと笑っていた｡Aはシュンとしていたため、リボーンの様子にまったく気づかなかった｡
｢リボーン!Aに嘘教えるなよ!｣
ツナが2人が座っていたソファーの後ろから覗きこんできた｡
｢お、ツナ｡会議は終わったのか｣
｢……うん｣
少し空いた間と軽く眉間に寄った皺｡それだけ見れば、会議が大変だったことがたやすく想像できた｡
リボーンも今日の会議内容は知っていた｡知っているからこそ、何も言わなかった｡
｢嘘?｣
Aが振り返ってツナに尋ねる｡
｢ランボ兄ちゃんは牛さんじゃないの?｣
Aの困惑した顔を見て、ツナは彼女の新たな一面を見つけた｡騙されやすい、ということを｡
ツナはAの誤解を解くべく話し始めた｡
｢ランボはれっきとした人間だよ｣
｢牛乳出ない?｣
｢牛乳は……出ないよ、うん、出ない｣
そもそもメスしか牛乳は採れないのでは?という疑問は誰も口にしなかった｡
Aが安心したようにふにゃりと笑う中、ツナはあることに気づく｡
｢A、それどうしたの?｣
｢どれ?｣
｢その、腕に着けてるやつ｣
Aの手首には見慣れないアクセサリー｡バンクルと呼ばれるブレスレットの一種である｡シンプルなデザインだが、ところどころ桜のイラストが散りばめられている可愛らしいものだった｡
｢雲雀さんにもらった!｣
｢そう、雲雀さんに……雲雀さん!?｣
ツナは大きな声を上げてしまった｡
雲雀が誰かに贈り物をするなんて、ツナには到底信じられなかった｡バンクルがある以上、真実であることは確かなのだが｡
｢この前会った時にくれたんだ｡絶対に肌身離さず着けててって言われた｣
雲雀さん、Aにめちゃくちゃ甘いな……｡
口に出すことはなかったが、ツナはそう思わずにはいられなかった｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
