アリス、思い出に触れる 01 ページ29
｢次のデータを見てほしい｣
今日は守護者たちと会議の日｡相変わらず一部の守護者は参加していない｡後で会議資料を渡さなくては、と思いながら、ツナはスクリーンにデータを映し出した｡
そのデータを見た者たちはたちまちざわつき始める｡静かにしていたのはデータを示したツナと、あらかじめ内容を知っていた獄寺のみだった｡
｢どういうことだ!?このファミリーは敵対関係にはないだろう!｣
初めに口を開いたのは笹川｡若干混乱しているらしい｡
｢ツナ、これどこで手に入れたんだ?｣
次に山本が問う｡苦しそうな表情を浮かべていた｡
｢ボス、まさか……｣
会議前に配られていた資料に軽く目を通していたクロームが、信じられないといった顔でツナを見る｡
｢ともかく資料の次のページを見てください｡話はそれから｣
ツナの表情もどこか険しかった｡
一同がページをめくり、目を見開いた｡
そこに載っていたのはAのプロフィールだったのである｡
｢チャオッス、A｣
｢リボーンさん!お疲れ様です｣
Aはにこやかに挨拶した｡両手にはそこそこ大きめのゴミ袋｡
｢どうしたんだ、それ｣
リボーンがポケットに手を突っ込んだまま、Aに尋ねた｡それとはもちろんゴミ袋のことである｡
｢これ?いつも掃除できないところをお掃除したら、袋がいっぱいになっちゃったの｡ほら、今日はツナさんたち会議でしょ?いないうちに掃除しようと思って｣
おかげで今日はツナさんの仕事部屋がピッカピカですよ!
誇らしげに言うAだったが、頬が少し汚れていたためイマイチきまらなかった｡
｢あとはこれをゴミ捨て場まで持っていけばおしまいです｣
よいしょ、と言ってAは再びゴミ袋を持ち直す｡自分で持てる量を詰めたとはいえ、体の小さなAが持つと重労働をしているように見えた｡
｢えっ、リボーンさん!?｣
リボーンが黙ってAが持っていたゴミ袋を2つ奪い取って、そのままスタスタと歩いていってしまった｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
