アリス、ボンゴレデーチモと対面する 01 ページ3
部屋を追い出された獄寺と山本は別室のモニターでツナたちの様子を見ていた｡
たまたまやってきたリボーンがヘッドホンを占領してしまったため、2人には音声すら届かない｡
もともとこの部屋は音声もしっかり聞こえる構造になっている｡しかしヘッドホンやイヤホンを接続すると周りには聞こえない仕組みになっているのである｡本来は機密情報を伝達する場合に使用するものなのだが……｡
獄寺たちはモニター越しにツナとアリスを見守るしかなかった｡
最初のうちは路地裏にいた時のように不思議発言を続けていたらしいアリスは、ツナが連絡端末を耳に当てた途端、勢いよく立ち上がった｡
そしてハッとしたように両手で口を覆うとソファーに座り直した｡座り直したというよりも力が抜けて座ってしまったといった方が近いかもしれない｡
ツナは笑顔を絶やさずにアリスに話しかけた｡
彼女はしばらくうつむいていたが、突如顔を上げて何かを叫ぶとそのまま泣き出した｡
獄寺も山本も困惑しかない｡だって何が起こっているかさっぱり分からないのだから｡
｢おい、ツナんとこ行くぞ｣
すべて知っているリボーンが2人にそう言って先に行ってしまった｡慌てて彼らもその後を追う｡
一体何が起こっているんだ……?という疑問が獄寺の頭でぐるぐると回っていた｡
別室の3人がツナの部屋に行ってみると、彼はアリスを膝に乗せて背中を擦ってあげていた｡
アリスはというと、ツナの胸に顔を寄せてぐすぐすと泣いている｡
彼女を下ろそうとする獄寺を山本が止めて、ツナに事情を尋ねた｡
｢実はこの子、好きであそこにいた訳じゃないらしいんだ｣
ツナがそう言うと、アリスはビクリと肩を震わせた｡
それを見たツナがアリスにここで話すのを止めようかと提案したが、彼女は首を小さく横に振った｡
｢じゃあ、耳を塞いでおこうか｡そうすれば何も聞こえない｣
先ほどまでは饒舌だった彼女は静かに頷いて、自分で両耳を塞いだ｡
ツナはアリスの背中をトン、トンと一定のリズムで叩きながら話し始めた｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
