【家庭教師ヒットマンREBORN！】アリス、来たる！ (ページ1)

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プロローグページ1

路地裏に3人の男がいた｡
1人は今にも泣き出しそうな顔をしている｡というかもう既に泣いていた｡身なりからして貧しい暮らしをしていることがうかがえる｡
スーツを着込んだ2人の男達は、その男を壁まで追いつめ見下ろした｡
赤いシャツの男が言った｡
｢テメエ、何か言うことはねえのか｣
かなりご立腹のようで、眉間に縦筋が刻まれている｡
男は顔をかなり歪めて謝罪の言葉を連ねた｡
青いシャツの男が赤シャツにまあまあ、となだめた｡
｢そんなに怒んなって｡コイツだって謝ってんだろ?｣
赤シャツは1つ舌打ちをすると、片手を男の顔の前に出した｡
男は懐から慌ててそれを取り出し、赤シャツの手に乗せた｡
｢もうこんなことすんじゃねえぞ｣
男はコクコクと何度も頭を縦に振り、赤シャツと青シャツの間を通り抜けるみたいに逃げていった｡
｢まさかスリに遭うなんてなー｡油断してたか?｣
青シャツ、山本は笑いながら言った｡
｢うるせえ!取り返せたんだからいいだろうが!｣
赤シャツの獄寺は山本の発言にキレながら、返された財布を手で弄ぶ｡
｢ま、早く帰ろうぜ｡ツナが待ってる｣
｢言われなくても分かってる!｣
一方的な口論が飛び交う中、可愛らしい声がそこに混じった｡
｢ねえねえ｣
獄寺も山本も同時に振り返ったが、彼らの視界には誰もいない｡
山本が視線を下げてあっ!と声を上げた｡それに釣られて獄寺も地面に目を向けた｡
｢時計うさぎさん、知らない?｣
そこにいたのは、おとぎ話に出てくるアリスの格好をした幼女だった｡