アリス、消える 01 ページ33
今日もいつも通り時が流れるはずだった｡
朝、担当の守護者に連れられてツナの仕事部屋にAがやってきて｡
日課となった掃除を終えたら、部屋に戻ってきて遊んだり勉強したり｡そんな風景を眺めながら、ツナも仕事に励む｡
そうなるはずだった｡
バタバタと足音を立てて入ってきた笹川の一言からすべては始まった｡
｢沢田、Aはまだこっちに来ていないか!?｣
笹川の慌てた様子におののきながらもツナは首を横に振る｡
｢来てませんけど……｣
｢そうか……すまんな｣
そう言って出ていこうとする笹川を引き止め尋ねた｡
｢Aがどうかしたんですか? ｣
笹川が困ったような顔をしてツナを振り返った｡
｢Aがいなくなった｣
ツナはそれを聞いてすぐに本部内の守護者たちに召集をかけた｡もちろんリボーンにも｡
｢どういうことだ、芝生!｣
獄寺が笹川に詰め寄る｡
山本が笹川に掴みかかりそうな獄寺を抑えたが、山本も困惑した表情を浮かべていた｡
｢お兄さん、説明してもらえますか｣
ツナが静かに訳を問う｡冷静に見えるが、内心かなり焦っていた｡
笹川が頷く｡笹川も深刻そうな顔をしていた｡
｢朝起きたらAがいなかった｡トイレかと思って確かめたのだが、誰も入っていなくてな｡部屋を隅々まで探したのだが……｣
笹川は黙りこんでしまう｡その沈黙でAがいなかったことを全員が悟った｡
｢他に何かおかしなところはありませんでしたか?｣
ツナが取り乱さぬよう努めて尋ねる｡
笹川は何かを思い出したようだった｡
｢そういえば……靴もリュックも置いたままだったな｡パジャマを脱いだ形跡もなかったし、着替えてはないはずだ｣
｢パジャマのままならきっと遠くには行っていないはずです｡皆で手分けして探そう｣
クロームと山本は笹川の部屋を、ツナ･獄寺･笹川は廊下を探すことに｡万が一Aがひょっこり現れた場合も考え、リボーンは部屋で待機していた｡
探し始めて10分｡クロームから連絡が入った｡
笹川の部屋の前で山本とクロームが悲しそうな顔で立っていた｡
クロームは小さな紙切れをツナに渡した｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
