アリス、嵐の守護者と過ごす 01 ページ11
｢おはよう、獄寺くん｣
ツナが獄寺に声をかけ仕事部屋にやってきた｡
｢おはようございます……｣
その後ろからAがついてきて、小さく獄寺に挨拶する｡
獄寺はため息をつきそうになったが、ツナとAの前のため慎んだ｡
Aを本部で保護することになって早2週間｡
結果からいうと、Aはツナにめちゃくちゃなついた｡仕事部屋にも毎日ついてくる｡
さて、Aが仕事部屋にきて何をしているか｡
まずは仕事部屋の掃除｡もちろんツナの仕事の邪魔にならない程度に｡
次に廊下の掃除｡
それらを済ますとパズルをやっている｡黙々と1日中｡ツナの仕事が終わるか、担当が迎えにくるまでずっと｡
たまに仕事に疲れたツナにお茶を出すこともある｡
なお先週までは資料室の整理をしていた｡
手伝いをしたいと申し出たAに、最初はツナが渋った｡Aにできそうな仕事はほとんどないし、子供であるAに手伝わせるのは気が引けたらしい｡
しかしAは引き下がらなかった｡先に折れたのはツナの方だった｡
ツナはAに部屋の掃除と資料室の整理を課した｡Aは嬉しそうに取りかかった｡
なんと驚いたことにAはものの1週間で資料室の整理を終えてしまった｡Aはツナに言われた通り正しく資料が収めた｡間違いは見つからなかった｡
これにはツナも獄寺も驚いた｡こんなに早く終わるとは思っていなかったのだから｡
ツナは困った｡Aが次の手伝いを求めてくることが容易に予想できたからだ｡
どうしよう〜〜と頭を抱えるツナにリボーンは情けねえ顔すんな!と蹴りを入れられていた｡
案の定Aは何か手伝うことがあるかとツナに尋ねた｡
ところが結局何も思いつかなかったツナがそれを伝えると、Aはあっさりと引き下がった｡そしておずおずと背中に隠していたパズルを見せて、遊んでもいいか聞いてきたのである｡
ツナと交代して担当となった山本にもらったのだとか｡
手伝いは偉いが遊ぶことも大事だと言われたらしい｡
Aは早々と山本にもなついた｡山本の性格を考えれば、十分頷けることだった｡
それに対して、と獄寺は思う｡
2週間毎日顔を合わせているにも関わらず、Aは獄寺になつく様子を見せない｡
初対面の時に恐怖を感じさせてしまったのか、それとも彼の雰囲気のせいなのか、はたまた他の理由があるのか｡
獄寺にはさっぱり分からなかった｡
このままではいずれ支障が生じるだろう｡少なくともその時は間近まで迫っているのだ｡
そう、今日から獄寺がAの担当なのである｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年5月27日 19時
