イゾウside ページ40
「とは言っても、私はボスと結ばれないですがね！」
イ「それはどうして？」
Aに自分のボスの事を聞いてみた。
そしたらどうだ。思っていた以上にAの心の中はあのザンザスって男しかいないじゃねぇか。
イ「(こりゃぁムリかもな)」
そう思った。
あの男の為なら命投げ打っても構わないなんて、並の覚悟じゃ言えないからねぇ。
だけどAはあの男とは結ばれないと言い切ったんだ。
「ふふ、お兄ちゃんがですね、”あんなDV男に嫁がせるかぁ！！”って猛反対で(笑)」
イ「…なんとなく想像つくな。」
まぁ、お前さんの兄貴なら誰が相手でも許さないだろうがな。
「それともう一つ。自分の命より優先してしまう男なんかどっちも不幸にしかならない。だそうです。」
イ「！！」
そりゃそうだ。
男は愛した女を守るどころか死なせちまうんだ。
自分のせいでーー。
それはどっちも幸せになんかなりゃしねぇ。
あんな奴でもまともな事言うんだな。
「まぁ、私はボスと結ばれたいとは思ってないんですが、あまりにもボスに懐いたからかお兄ちゃんが先走りまして。」
イ「それも想像つくな…。」
「ふふふ、イゾウさんは体験しましたしね。」
イ「あんなに怒るとは思わなかったがな。…じゃぁAはどんな男がいいんだい？」
「どんな男？うーーん。難しいですね、なんたって今まで暗殺一本でしたから…」
悩み方が少しズレてるが、それもAだ。
想像つかないのか、うーんだのえーだの言う姿は可愛らしいもんだ。
「そうですねぇ。こう言った何も無い時間を楽しいと思って過ごせる人。ですかね。」
イ「俺との時間は楽しいかい？」
「え？はい！とても楽しいですよ！ヴァリアーの皆とは違った心地良さがあってとても落ち着きます。」
そしてまたふふふとお前さんは笑うんだ
イ「そりゃよかった…。」
「でもね、イゾウさん。私、恋愛はしないようにしているんです。」
イ「…なぜ？」
なんでそんな悲しい顔でそんなことを言うんだ？
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作者名：たまごやき | 作成日時：2022年6月1日 21時
