サメ妹と鯨2 (ページ30)

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あれぇ？
どうしましょう、お兄ちゃんが動きません…

「お兄ちゃん、聞こえてない？どうしたの？」

さすがに心配になります。
だってボスに打たれてもうるさいお兄ちゃんですよ？
まさかこっちにきた時、何か不具合があったとか？？

「お兄ちゃん…、わっ！！」

心配で頬をムニーと押していれば後ろからイゾウさんが抱きしめてきて、お兄ちゃんから私を離してしまいました。

イ「A、兄貴は疲れてるんじゃないか？違う世界から遥々来たんだ、休ませておやり。」

「イゾウさん！そう、なんですかね？」

ル「スクアーロ、いいの？((ｺｿｯ」

ス「…はっ！！ってぇゔおぉい゛!!てめぇ!!その手を離しやがれぇえぇええ!!!」

ブォン！！と落ちてくる刀を私を抱えヒラリと躱すイゾウさん。

フーっ！フーっ！と怒るお兄ちゃんにｸｸｸｸ!と笑っているのを見ると、これはからかっていますね。

「イゾウさん、あまりお兄ちゃんを刺激しないで下さい。」

イ「そんなつもりはないが。よほど大事にされてきたんだな、A。」

もぉー。と小さなため息が出てきます。
クスクスと笑う声が頭上でして、なぜこんなにもイゾウさんの機嫌がいいのか私には不思議でなりません。

イ「A、ちょいと顔を上げてくれるかい？」
「はい？どうし(チュッ)マァーシタ？？」

あれ、今。
ほっぺに。
チュッて。

「ボンッ！！//〜〜っっ！！！イゾウさん！！」

ル「いやぁ〜ん！おアツいじゃないAちゃん〜♡」

「ルッスーリアも！！もうっ！！お兄ちゃん！！」

ス「…けす…」

「え？」

ス「てめぇだけはカッ捌いてカッ消してやる！！ゔおぉい！！！！」

「ゲッ！！ちょ、まっ！！」

あぁ、ダメだ。
これはもう本当にダメだ。

「イゾウさん！にげっ！！！」

一瞬だった。
お兄ちゃんが私を掴みイゾウさんの首に刀を振り下ろす瞬間が見えたのは

「お兄ちゃん！！！ダメ！！」

もしかしたら手がなくなるかもしれない。
覚悟の上でお兄ちゃんの刀を素手で掴み、少しでもその到着を遅らせようとすれば吹き出す血飛沫と大きく揺れる船。

ガガッ！！
という鈍い音と共に割れた空間と先端に吹っ飛ぶ私。

マ「A！！オヤジ、やりすぎだよい！！」

白「俺ぁ兄貴の方を狙ったんだがなぁ。」

ス「つっ…、A？A！！」