さようなら、ベル様 ページ44
「ベル様、あの…本当に大丈夫ですから…」
べ「・・・。」
あの後すぐにお部屋に戻られたベル様。
そのままお風呂場へと向かい、いつもベル様が使われている椅子に座らせられました。
「ベル様、ここまで連れてきていただきありがとうございます。ここから先は自分でできますので大丈夫ですよ・・。」
べ「うるさい。」
「・・・」
べ「お前さ、あれだけ王子優先って言ってたのに何でさっきスクアーロなんかを優先したわけ。スゲームカツくんだけど。」
「申し訳ありません…おでこから流れていたワインが一瞬血に見えてしまい…焦ってしまいました。」
べ「だから俺の命令を後回しにしたんだ。」
どうしましょう…
ベル様、ひどく怒っていらっしゃいます…
「も、申し訳ありません…」
べ「そんなにスクアーロに仕えたいなら王子の使用人、クビにするけど。」
「ッッッ！！！そんなっ！！」
べ「なに。文句でもあんの。」
私…ベル様のお傍にいられないのですか？
そんな…
そうなっては私は生きる意味がありません…
「ドッドッドッドッドッ…))ジワァ…」
べ「泣いてもダメ。お前の荷運びくらいは手伝ってやるよ。王子やっさしー」
「私は…」
べ「なんだよ。」
ベル様の元にいたくて。
ジル様に恨まれるのを覚悟でここに来ました。
貴方にお仕えできないなら…こんな命、いりません…
「…なん、、でもありません((ニコッ))」
べ「！！」
「ベル様に…こんなに不快な思いをさせてしまいました…私はベル様の使用人失格です」
べ「…で、どーすんの。」
どう？
そんなの…
「・・・すぐに…消えますので…。」
べ「はぁ？？どこにだよ。」
「あなた様の迷惑にならない所へです((にこっ」
さようならベル様。
私はあなたと再会できて本当に嬉しかったです。
よりよい使用人に出会える事を、私はあの世から見守っていますね。
「ベル様、短い間でしたが拾っていただき…ありがとうございました。お傍で仕えられたこと、心から嬉しく思います。」
べ「な、、おい」
「さようなら。」
さて…どこなら皆さんにご迷惑をおかけしないでしょう。
やはり海辺？
でもここからでは遠すぎますね
「森の奥深くでしたら、誰にも気づかれませんかね。」
お部屋を出ようとしてキラッと目に入ったナイフ。
これは、ベル様の…
「思い出に一つ、頂いていきますベル様。」
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作者名：たまごやき | 作成日時：2022年7月5日 1時
