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「…どちらですか？」
ジ「は？」
べ「何言ってんのコイツ」
「どちらが、コレをお投げになられたのですか？」
もし当たっていたら私は怪我してました。
悪ふざけにしても許せません
べ「俺だけど。なに、文句でもあんの」
「ベル様。」
ツカツカツカ
「ジィー」
べ「なんだよ。なんかあんなら言えばいーじゃん」
今、ベル様の真正面に立ち同じ高さで顔を合わせ、お顔をジッと見ています。
「こんな事、してはいけません。」
べ「は？王子に説教するの？」
「王子だから、説教をするのです。」
べ「意味わかんね。今までの奴らは何も言わなかったけど。」
「王子様なのに、こんな野蛮な振る舞いをして恥ずかしくないのですか。」
べ「カッチーン。ただの使用人のクセに。なに偉ぶってんの」
「使用人は的ではありません。」
ジ「ちょー説教されてんじゃん(笑)ウケる(笑)」
べ「うるせぇーんだけどジル。」
「ジル様。」
ジ「あ？」
「笑い事ではありません。これは由々しき問題ですよ。」
ジ「うっわうぜぇ。なにこのチビ」
初日早々こんな問題があるなんて。
だからジル様もベル様もあのような事を言っていたのですね。
べ「俺らに説教して、お前クビにしてもいいんだぜ？」
ジ「珍しくさんせー。父親と一緒に捨ててやるか」
お父様を囮に使うのですね。
でもそうはいきません。
「どうぞ。クビになろうとも構いませんよ」
ジ「は？」
べ「マジで言ってんの？頭わりー。」
「マジもマジです。私はお二人に素敵な王子になって欲しい。」
ジ「…」べ「…」
「それが叶うなら、クビでも死刑でも構いません。」
べ「たった今知り合ったばかりなのにマジで何言ってんのコイツ」
ジ「きもちわるー。」
「出会ったばかりでも、私はお二人の使用人です。主の素敵な姿を願うのは当たり前ではないですか。」
・・・
沈黙。
そんなおかしな事いいました？？
ジ「…へぇー。面白いじゃん」
べ「頭悪そうだけど根性はありそう」
「そうですか？いいですかお二人共、これからは無害な人に物を投げてはいけませんよ？」
ジ「指図されんのはムカつくな」
「指図ではありません。お願いです。」
べ「なんでそれを聞かなくちゃなんねーの。」
「お二人は王子であって独裁者ではないからです。下の物を従えさせられればより良い勢力も築けますよ？」
ジ「…」べ「…」
「私との日々は、その訓練だと思ってください」
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作者名：たまごやき | 作成日時：2022年7月5日 1時
