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妙「Aちゃん…」
綺麗に治療され規則正しい呼吸をしながら眠るAに顔が険しくなる。
妙「なんて酷い有様なの。夜兎のAちゃんがこんなになるまで痛ぶるなんて…」
蛮「…。」
悲しい空気が流れる。
ふとお妙が持ってきた重箱を思い出した。
妙「せっかくAちゃんに食べてもらおうと腕によりをかけたのに…」
そう重箱を見つめる。
そんなお妙にかごめがフォローをいれた。
か「わぁ!手作りですか!」
妙「えぇ、Aちゃんお腹空かせてると思って…」
あ!そうだ!
とお妙が閃いたように顔を輝かせる。
妙「Aちゃん食べられそうにないですし、よかったら皆さんで召し上がって?」
か「えっ!いいんですか?」
妙「いいのよぉ!悪くなるより全然嬉しいわ!」
わぁいただきますー!
と喜ぶかごめに新八が冷や汗を流し一応止めた。
新「あ、姉上!でも皆さんお腹すいてないかもですし!」
妙「あらそう?」
か「あ、いえ!実は私達お昼がまだなんです。お腹ペコペコなのでいただきますね!」
笑顔で重箱を開けるかごめ。
しかしそこには黒い物体がおいてあるだけだった。
か「こ、これは?」
妙「卵焼きよ?」
蛇「食えんのかよコレ」
箱の中を覗きこみ沈黙が続く。
か「あ!私犬夜叉によばれてるんだったわ!それじゃぁこれ、よろしくね!」
蛇「あ!お前逃げんのかよ!!」
か「あんた達1度死んでるんだから死ぬ事ないわよ。それじゃ!」
それだけを残しスタスタと出ていった。
妙「さぁ、どうぞ召し上がれ♡」
蛇「うっ…大兄貴」
蛮「俺はいらねぇ。そもそも食うなんて言ってねぇからな。」
蛇「そんなぁぁ」
ため息をつき物体を持ち上げる。
仕方なしに一口つまんでみたら口の中がジャリジャリした。
蛇「うぇぇぇ」
妙「どうかしら?」
蛇「お前こんなのAに食わそうとしてたのか?本当に敵じゃねぇんだろうな。」
まぁなに!失礼ね!お口に合わないなら結構です!
と怒りお妙は帰って行った。
蛮「そんなに不味かったのかよ?」
蛇「無骨の毒よりヤバいんじゃねぇかな…」
そしてその日の夕方。蛇骨は厠から出てこなかった。
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作者名:たまごやき | 作成日時:2021年10月7日 13時