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隊1「はぁ…暇だなぁ。」
隊2「おい、ちゃんと見張っとけよ。あのAの処刑だ。暴動が起きてもおかしくねぇーんだ。」
門の前でため息をつき、真選組の隊士がボーッと空を見ていた。
隊1「にしてもよー。何か変じゃねーか？」
隊2「何がだよ？」
だってよー
と愚痴を零す。
隊1「俺はまだ信じられねぇなー。あのAちゃんだぜ？あれだけ俺達を大事にしてくれてたのにいきなり裏切りなんて…おかしいだろ。」
隊2「あぁ、それなぁ。結局証拠だって言われてたビデオも、隊長格しかみせられてねーしなぁ。」
何とか阻止できねーかなぁとボヤいた時、先の方から砂煙が上がっている事に気づいた。
ドドドドドドド
隊1「ん？？…あれは…。」
神「そこどくネぇぇぇ！！」
隊1＆2「うあわぁぁぁっ！？」
ドカァァンっと定春と共に突撃する神楽。
派手な音に真選組の隊士達が集まり始めた。
隊「なんだ！？暴動か！？」
そしてその騒ぎは手を縛られ近藤の前に座らされたAの処刑に立ち会う隊長達にも届いたのだ。
原「なんだ！？やっぱ暴動か！？」
華「やだぁー！コワイ！近藤さん、早く終わらせちゃいましょうよ！」
近「あっ、あぁ。」
頷き目の前のAを見やる。
襲われた服はボロボロにはだけ、治りきらない傷口が痛々しく目につく。
ﾋｭｰﾋｭｰと微かな呼吸が聞こえているが、最早虫の息だった。
近「(まさかAのこんな姿を見る日が来るなんてなぁ)…よし。処刑を始めよう。A、何か言い残す事はあるか？」
「……。」
華「ないんじゃないですかぁ？」
何日も水も食事もとっていない体はやつれ、頭をあげることもままならない様だ。
沖「…。近藤さん、待ってくだせぇ」
近「総悟？」
近藤さんにストップをかけ沖田が前に出る。
スっとAの前に膝をつき、顔を持ち上げた。
チュッ
「！？」
リップ音が聞こえ顔が離れる。
ぎょっと驚く周囲を無視し、沖田は続けた。
沖「コイツ、今は目も耳も使えてねぇみてぇなんです。だから最期の言葉を聞くのは無理でしょう。」
近「そっ、そうか…」
そう言ってマジマジとAの顔を見つめる沖田。
その瞳は悲しみで揺れていた。
「…はなして…」
何も映らない朧気な目で力を振り絞り沖田の手を振りほどく。
華「お、沖田さぁーん！さっさと殺っちゃいましょう！サクッと！」
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作者名：たまごやき | 作成日時：2021年10月7日 13時
