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夜中。もうそろそろ太陽が上がりそうな時、1人で川の水を汲んでいた。
「おぉ、溜まった溜まった!そろそろ戻らなくちゃ!」
蛮骨との事を思い出しニヤケながら独り言を溢すA。
その言葉に返事はないはずだったのに思いもよらぬ人物から返事がきたのだ。
沖「へぇ。戻るってどこにでい?」
刹那。左側を刀が落ちる。
寸でのところで躱したが意外な人物に心臓が大きく跳ねた。
「総悟…。」
沖「なんでい。俺の名前覚えてたんか。…おいA。てめぇ自分が何したか分かってんのか。」
ギラリと眼光が鋭く光る。
気を抜いたら殺されると肌がビリビリ教えてくれるこの空気。
「あら。私が何したって言うのかしら。」
強気に笑って返せば沖田から歯軋りが聞こえた。
沖「ギリッ))お前。本気で言ってんのか?」
「本気も本気よ。私が近藤さん殺そうと濡れ衣きせられた事?それとも華を殺そうとしたってデマが流れてる事?それかぁ…」
そこまで話して刀と刀が交わる。
ガキィィィン!!
「私が真選組の隊士達を殺した事?」
沖「!!」
ニヤリと笑って受け止めた刃を弾き飛ばす。
その発言に驚きを隠せないのは沖田だ。
沖「お前まさか!!」
「えぇ。最初にきた隊士達。私に刀を向けたから殺したわ。」
当たり前でしょ?とさも当然のように首を傾げる。
そんな様子に沖田はブチ切れた。
沖「ふざけんじゃねぇぞっ!!A!!」
「ふん。」
それから刀と刀がぶつかり合う音が響いていった。
ーーー
睡「アイツ…おせぇな。」
帰りの遅い妹を心配して川まで見に行こうと腰をあげた睡骨。
その時何本かの木がAの向かった川の方で倒れる音が聞こえた。
ドゴゴゴゴゴ!!!
睡「!?なんだ?何かあったのか!?」
蛮「睡骨。どうしたんだ?」
睡「大兄貴!それがアイツまだ戻ってねぇんだ。向こうの方で闘ってるような音がするんだが。ちょっくら見てくる!」
そう残し空き家を出ていった睡骨。
蛇「なんだ?何か起きたのか?」
煉「大兄貴?」
蛮骨を見れば川に向かおうとしているところだった。
蛮「Aの奴何かと戦ってるみてぇだ。」
煉「!!俺達も行くぜ。」
銀「ギシッ!!」
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作者名:たまごやき | 作成日時:2021年10月7日 13時