恐怖 ページ48
「今日中…」
カァカァって聞こえる。
万事屋は帰るって言うからスクアーロに見送りを行かせてるが…
帰ってくんのおせーな、スクアーロ。
どーせこの目を治す方法探してんだろーなぁ
「バカなヤツ…」
私なんか放っておいてさっさと元の世界に戻ればいーのに。
今日中なんてムリだろ…
「服…作れなくなんのかな…」
ベルの服も、真選組の奴らの服も…
それだけじゃねぇ。
このまま目が見えなくなれば、ヴァリアー連中との繋がりもなくなる。
「そんなの…」
嫌だ
「はは…っいつの間にこんなに気に入ってたんだ?あいつらの事。こんな…」
大事な物は失ってから気づくって、よく聞く言葉だよな。
こんな当たり前の事を身をもって知るなんて
繋がりがなくなれば当然、スクアーロの奴だってここにはこねーだろう
「他に女見つけて…か…」
ズキッ!!
「ーっ」
なんだよ…散々願ってた事じゃねーか…
私みたいな異世界の夜兎じゃなくて人間の女を捕まえろって…
ずっと…言ってた事なのに…
「これも…失って気づくってな…はは…」
嫌だ。
スクアーロが…他の女の腰を抱いて歩くとこなんか…
他の女にあんな優しい目を向けるとこなんか…
見たくねぇっっ
「うっ…ぐっ…ひっく…くそっ…」
見たくねぇけどっ!!
目の使えねぇ私はなんの役にも立たねぇ…
こんなお荷物、背負わせる訳にはいかねぇよ…
「スクアーロ…ひっく…スクアーロ…」
バカなヤツだなんて…どっちがだ…
…今夜…あいつには別れを告げねぇといけねぇ…
もうここにも来るなって…
マ「」
ベルにもマーモンにも…
「くそ…っ私…あいつらが大好きだ…大好きなんだよ…」
ホントに目、使えなくなるのか?
もう誰の顔も見る事はできなくなるのか?
怖い
見えなくなるって、こんな怖い事なのか…?
助けて…
「ひっく…ひっぐ…ふっぅ…」
スクアーロ…
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作者名:たまごやき | 作成日時:2023年3月20日 3時